エスファハーンのエコロッジの一つである*『マジード物語』の家は、連続ドラマ『マジード物語』を覚えている人たちが真っ先に選ぶ宿泊施設であり、彼らはビービー[祖母]とマジードの思い出のシーンを懐かしんでこの家を訪れるのである。
【ハムシャフリー電子版】このエコロッジの来訪客は、歴史的観光スポットを見物するために、また1370年代[西暦ではおおよそ1990年代]に老いも若きもテレビの前で夢中になった連続ドラマの思い出に浸るために、エスファハーンを訪れる。『マジード物語』のエコロッジは1年前から営業を開始したが、この家の所有者は、イラン暦1373年(西暦1994〜5年)、つまり連続ドラマ『マジードの物語』の撮影が終了した1年後にこの家を購入した。『マジード物語』の家の築年は75年前とされ、イラン暦1325年から1331年の間(西暦1946年から1953年)に建てられた。450平米のこの家には8部屋あり、我々は記憶に残るドラマ『マジード物語』の中で、毎回この家のどこかしらに行ったものだが、現在は、その部屋の扉は来訪客に開かれている。
興味深いことに、この家を訪れることだけを目的とする観光客は、4万トマーンの料金を払えば、中庭で1時間過ごしたり、ビービーの家の池のほとりで気分転換を図ったりすることができる。
◆マジードとそのケルマーンでの物語
『マジード物語』は、キューマルス・プールアフマドの制作・監督・脚本によるドラマであり、フーシャング-モラーディー・ケルマーニーの同名の書籍に基づいている。このドラマは、両親を亡くし、祖母ビービー(俳優:パルヴィーンドフト・ヤズダーニヤーン)とエスファハーンで暮らす遊び盛りの少年マジード(俳優:メフディー・バーゲルベイギー)の物語である。『マジード物語』は、イラン暦1370年代初頭にIRIB TV1で15エピソードのドラマとして放送された。『マジード物語』のオリジナルストーリーではケルマーンがその舞台となっているが、テレビシリーズではエスファハーンに変更された。ドラマの各エピソードは原作の物語のうちのいずれかに基づいて作られており、中でも最も長く愛されたエピソードは「海のイナゴ[エビのこと]」、「体育の試験」、「作文の時間」、「キャンプ」であった。マジードが学んでいた学校はハラビヤーンという名前の学校だが、このドラマの撮影時はエスファハーン・アリアンスという名前だった。『マジード物語』の家は現在、当時マジードと一緒に試験前夜の恐怖を味わったり、学校のキャンプが嬉しくて眠れなかったりした中年世代の思い出の家へと変わった。
ガルエ・タブレ地区のエスファハーン・アフマドアーバード通りにある『マジード物語』の家は、多くの人々の思い出の家となったのである。
※訳注:『マジード物語』は、フーシャング-モラーディー・ケルマーニーが1974年にラジオドラマの脚本として執筆し、1985年に書籍(短編小説集)として出版した作品。後にテレビの連続ドラマとして人気を博した。
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( 翻訳者:SK )
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