シリア:アゼルバイジャン産天然ガスの受け入れがもたらす電力改善への「ポジティブな影響」
2025年07月30日付 al-Quds al-Arabi 紙
■トルコはシリアに電力とアゼルバイジャンのガスを供給する
【ダマスカス:本紙】
シリアのムハンマド・バシール・エネルギー大臣は、明後日土曜日より、アゼルバイジャンからトルコを経由して届く340万立方メートルのガスの受け入れが始まり、これは約900メガワットの発電に寄与するだろうと述べた。同様にトルコのアルパルスラン・バイラクタル・エネルギー天然資源大臣は、シリアへ約900メガワットの電力(を発電するのに十分なガス)が供給され、これは160万世帯の需要を賄うと発表した。
シリアのエネルギー省は声明で、「この措置は電力網の安定性強化に貢献するだろう」と述べ、「政府はエネルギー需要の確保と国民の負担軽減に向けた国家計画の一環として、これらの措置の実施を進めている」と明らかにした。同国のアフマド・シャルア暫定大統領はこれに先立つ7月の初めにアゼルバイジャンを訪問した際、同国の国営石油会社「ソカール」と、トルコを経由して自国にガスを供給する契約を結んでいた。
シリアは深刻な電力不足に悩まされており、国内の大部分で、1日の通電時間が4時間であることに従って停電時間は20時間に達している。カタールがヨルダン経由で1日あたり平均200万立方メートルの天然ガスをシリアに供給し始めたことで、同国の電力生産は約2,000メガワットに増加した。しかし同国は現在、24時間の通電を確保するために約9,000メガワットの電力生産を必要としている。
一方トルコのバイラクタル・エネルギー大臣は、同国は現在、シリア北部へ電力を輸出しており、今後既存の送電線を通じて、この輸出を280メガワットまで増やす計画を立てていると発表した。同大臣はまた、容量が約500メガワットで、かつて使用されていた、ビレジク・アレッポ間送電線の再稼働に向けての取り組みが進行中であると明らかにした。
経済専門家でアレッポ大学経済学部教授のハサン・ハズーリー氏は、『クドス・アラビー」に対し、アゼルバイジャンからのガスの受け入れは、電力供給に、さらには産業従事者やサービス部門全般に、ポジティブな影響をもたらすだろうと確認した。これは、電力こそがあらゆるサービス業務にとって主要な柱であることを考慮した見解である。
同氏はさらに、重要なのはガスの輸入それ自体ではなく、これが電力の改善へと反映され、結果的にこの主題においてポジティブな役割を果たすことにあると述べた。
米国の対シリア制裁解除は、特に電気、石油、天然ガスの部門において、シリアが必要とする支援の提供を可能にした。またこれにより、ヨルダン経由でシリアの南側から、あるいはトルコ経由で北側からガスを供給する契約の締結が容易になった。
同様に制裁解除は、シリアの銀行が、「SWIFT」(国際銀行間金融通信協会)の送金システムを通じた国際金融システムとの連結へと、段階的に復帰する効果をもたらした。
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( 翻訳者:庄司陽 )
( 記事ID:60591 )