ボルのカルタルカヤホテル火災、第二回公判
2025年09月22日付 Medyescope 紙
カルタルカヤのホテル火災の第二回公判が始まった。遺族たちは、拘留中の容疑者達が法廷に連れてこられて際に、反感を示した。公判は19名の勾留中の人物を含む32名の陳述で継続している。これは翌23日も続くだろう。
ボル県カルタルカヤにあるグランド・カルタル・ホテルで1月21日に、78人が亡くなり133人が負傷した悲劇に関して、勾留中の19人を含む32人の容疑者の公判が、ボル県第1重犯罪裁判所によって継続されている。
支援者と傍聴人が多すぎたため、ボル県社会科学高校体育館に準備された場所で公判が行われている。
■遺族は勾留中の容疑者たちに反感
カルタルカヤのホテル火災の第二回公判には勾留中の容疑者と未勾留の容疑者、原告と弁護士が参加した。ホテルのハリト・エルギュル支配人、[女婿の]エミル・アラス取締役を含む勾留中の容疑者が法廷に入った時、遺族たちは反感を示した。
裁判長は、4人の負傷者のために作成された起訴状が本案件訴状と一体化されたと伝えた。
この悲劇に関するボル県第一重犯罪裁判所で行われた最初の公判は、5日間続いた。32人の容疑者の陳述が終わった。最後の公判の末に出された中間決定では、消防士のイルファン・アジャルが拘束され、キッチンで働いていたファイサル・ヤヴェルが法的管理を条件に釈放された。
■検察は告発に関する意見書を提出
共和国検察は、公判前に起訴事案に関して意見書を準備した。ボル県共和国主席検察局が第1重犯罪裁判所に送った21ページの意見書では、ハリト・エルギュル支配人を含む7人の容疑者が、78回「未必の故意による殺人」罪で1950年ずつ、「未必の故意による意図的な傷害」と「未必の故意の性質をもつ器物破損」の罪でそれぞれ178年582月までの懲役が求刑された。
ホテル経営陣のメンバーの一人であるエルギュル支配人の妻エミネ・ムルテザオールと彼らの娘であるジェイダ・ハジュベキルオール、[女婿の]エリフ・アラスについても、78人の命が奪われ137人が負傷したことの原因となってという理由で、職務上の不備によって1人以上の人が死傷した原因となった罪で処罰するよう請求された。
ボル県特別局職員であるスル・コステレリ容疑者、ビュンヤミン・バル容疑者、イェリズ・エルドアン容疑者、メフメト・オゼル容疑者が管理上の不注意と不適切な対応により1人以上の人を死傷させた原因となった罪で求刑された。一方で、ムドゥルヌ・エネルギー産業貿易株式会社の担当者であったイブラヒム・ポラト容疑者、イスマイル・カラギョズ容疑者についても、彼らが、従業員たちにホテルに滞在する許可を与え、ホテルが火災上の安全性がいなかったことを調査・監督の結果知っており、起こるであろう結果を予見できたにもかかわらず、[ホテルで働く]亡くなったエスレム・ウヤヌク、シェヴァアル・シャヒン、エスラ・ナズィクの三名がホテル滞在を許可したことで死亡する原因となったとの理由で、職務上の不備で1人以上の人が死傷する原因となった罪で裁かれるよう請求した。
■監督官庁担当者に司法の道が開かれた
さらに、火事の間、ホテルから外に出て救出された後、取り残された人々を救出するためにホテルに再度入り命を落としたイート・ゲンチバイの父アブドゥルラフマン・ゲンチバイさんとアルプ・メルジャンの父エライ・メルジャンさんは、2月27日に内務省と労働省の担当者について捜査を認めるよう要求した。
両省もその要求に関して何か月も回答しなかった。これを受けて、遺族のゲンチバイとメルジャン両氏は、「暗黙の拒否」の決定を取り下げるようアンカラ行政裁判所で取り下げ裁判を起こした。アンカラ第7行政裁判所およびアンカラ第27行政裁判所は、両省につき「暗黙の拒否」の扱いを取り下げるよう決定した。この決定によって、裁判で責任性ある専門家の報告書[の提出]と特定された省の担当者について捜査開始に導いた。
公判で裁判長は、4人の負傷者に関し作成された起訴状が本案件訴状と一体化されたと伝えた。その後、一体化された追加起訴状に関する容疑者の陳述に移行した。
ガゼルホテルのアフメト・デミル支配人は、「検察は私を犠牲として選んだ。私は、ガゼルホテルの支配人である。司法は、不十分な情報で誰かを有罪と決定するべきではない。グランド・カルタル・ホテル火災で私に責任がないのは明らかである。」と訴えた。
■私たちはSNS激しく裁かれている
その次に言葉を発したデミル支配人の弁護士は、「私たちは、SNSという裁判所で激しく裁かれている。私の依頼人は火事の責任を負わされ拘束されている。特に犠牲として選ばれ、火にかけられたというのが私たちの考えである。依頼人は、ガゼルホテルの支配人である。このホテルに関係は全くない。」と述べて、裁判所に指名した証人の尋問を要求した。
■物証は不十分ではいけない
FQCグローバル認証株式会社の社員のアレイナ・ベシンジ容疑者(未勾留)は、追加の説明はないと伝えた。FQCグローバル認証株式会社の責任者アリ・アーオールは陳述の中で「私たちに責任はない。持続可能な観光認定を与えていた。火事に関する監督を行っていない。嫌疑を認めない。」
カルタルカヤホテル火災の第二回公判で未勾留のアーオール容疑者の弁護士は、「火事ではなく地震であったならば、恐らく依頼人になぜサンプルを取って分析しなかったのかと質問されただろう。依頼人の会社には火事に関する監督権限はない。他方、迅速な裁判を行う一方で、物証は不十分ではいけない。85点の証拠の調査要求をあなた方は拒否した。すべて必要ないのか。これはとても正常な運用ではない。」と述べた。
ホテルの技術部門職員のバイラム・ウトゥク(未勾留の容疑者)も「出火に関し私の責任は全くない。全員を救出しようとした。私も負傷した。集中治療を受けた。私への罪を認めない。」という形で陳述した。
裁判長が「電気を止めるようにと指示に来たのか。」という問いにウトゥク容疑者は、「その日は元々とても混んでいた。災害緊急事態管理庁あるいは消防は、電気を切りなさい、私たちが対処する、と言った」と回答した。これを受けて裁判長は、「その組織から回答が届いた。このような指示は与えていないと回答した。」と述べた。
◾️職務怠慢はない
ボル県特別局職員であるビュンヤミン・バル容疑者は、監督上の不注意・無処置を理由に職務上の不備で一人以上が死傷する原因となったとの罪状で処罰が請求された。彼は以下のように述べた。
「監査の結果、私に公的書類が提出されたり制裁を含む提案は出されなかった。したがって、私に提出されず報告されなかった件に責任を問われるいわれはない。グランド・カルタル・ホテル火災に関し因果関係のある、いかなる行動も行なっていない。職員採用に関しても私の権限に含まれていない。何ら因果関係のない中で、一人の人間が8ヶ月も収監されている。職務上の不備はおろか、職務怠慢もない。従って、無罪放免を求める。」
会計副責任者であるジェマル・オザル容疑者(勾留中)は、自分にかけられた嫌疑を受け入れないとし、無罪釈放を求めた。オザル容疑者の弁護士は、弁護の中で「メフメト・サルンに、消火の不備の確認をイスマイル・カラギョズに手渡したか否かを尋ねるよう請求している」と述べた。これを受けて勾留中の会計副責任者であるメフメト・サルンは、「市が確認した不備を伝えた、と言った。イスマイル・カラギョズに渡した。ただこのことが証明されると考えていなかったので、法廷では『渡さなかった』と答えた」と話した。
◾️遺族から反感:「恥ずかしくないのか」
勾留中の容疑者の中で、ホテルの経営陣のメンバーであり、ホテル支配人の娘であるジェイダ・ハジュベキルオールは、火事三日後に作られた「事業の安全上の緊急対策」とのワッツアップ・グループの中でホテル従業員たちに指示したのが判明したとの報道に関し弁明を行なった。
「事件後に父が逮捕されると、私に知らせが来た。私が事態に対応することになり、やるべきことを行えと言われた。地震後に建物の耐性がどのように調査されようと、火事後も同じだった。父が不在なので、私がワッツアップ・グループを設けた。仕方なくグループに加わった。他のホテルで必要なことを同じように行え、と述べた。グランド・カルタル・ホテルに関して私には何の責任もない、だから釈放を求める。」
この発言後に原告たちは、ハジュベキルオールに「恥ずかしくないのか、まだ責任がないと、どの口が言える」と反発した。
◾️エミル・アラス:出てくる時に火事と叫んだ
グランド・カルタル・ホテル支配人の女婿でホテル経営陣のメンバーであるエミル・アラス(勾留中)は、「このホテルで火事が急速に広がると知っていたら、自分の子供や妻を泊らせたか。私自身も泊まったか。映像が出てくるものとわかっている、叫んでいたと思うし、そのように記憶している。[ホテルから]出る際に「火事だ」と叫んだ。カメラが私を背後から撮っている。廊下の突き当たりに煙があり、それに注意を集中した。その音声記録も出てきており「アラームを鳴らせ」と言っていた。このことを思い出せなかったので、法廷では言わなかったが、記録が出てきた」と発言した。これに対し原告たちは、「お前が声を出していたら、大切な人たちは生きていたはずだった」と反発した。
ホテルの経営陣のメンバーでホテル支配人の妻エミネ・ムルテザオール(勾留中)は、「追加の発言はありません。以前の説明を繰り返すことになる」と述べた。公判で発言を行った、火事で8名の近親者を失ったユクセル・ギュルテキン弁護士は、「このホテルの本当のオーナーはエミネ夫人であるのを、ボルの誰もが知っているが、検事の方はご存知ないようだ。未必の故意で裁かれるべき唯一の容疑者がいるとすれば、この裁判の中でエミネ夫人である。エミネ・ムルテザオールはホテルの真のオーナーである。夫のハリト・エルギュルは給仕係である」と述べた。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:60806 )