デミルタシュ問題でのバフチェリ発言、AKPの対応を変える
2025年11月06日付 Cumhuriyet 紙
民族主義者行動党(MHP)党首の発言の後、公正発展党(AKP)党員たちは沈黙した。以前の「証拠がある、被害者もいる」と発言した与党議員たちは、人民平等民主(DEM)党の質問主意書を審議する間、時間稼ぎをするだけにとどまった。
DEM党は、セラハッティン・デミルタシュ氏に関する釈放申請の後、2016年11月4日に人民の民主主義党(HDP)に対して行われた強制捜査に対して国会に調査動議を提出し、デミルタシュの釈放を要請した。今年、以前同様の議題について提案された2件の動議に対し、「明らかに事件があり、被害者がいる。集められた証拠もある。」などと回答したAKP党員たちは、MHPのデヴレット・バフチェリ党首の「釈放は良いことである」という発言の後、この議題についてコメントを控えた。動議について言及したAKPのイブラヒム・ユルドゥヌセヴェン議員は、発言中に「不逮捕権が何であり、どのように停止されるかについて」説明するにとどまった。
欧州人権裁判所(AIHM)は、7月、元HDP共同代表であったセラハッティン・デミルタシュ氏の釈放の判断を下した。法務省は10月にこの決定に反対したが、AIHMは却下した。そのため、デミルタシュの弁護団は、コバニ事件を担当する地方行政裁判所に釈放申請を行った。MHP党首のバフチェリ氏もこの件について「釈放はトルコにとって良いことになるでしょう。」と言及した。こうした全般的な展開の後、DEM党は一昨日、国会に2016年11月4日にHDPに対して行われた強制捜査に関し調査動議を提出した。DEM党は、すでにデミルタシュをはじめとするコバニ訴訟のために拘束された政治家たちを釈放するよう求めている。一方、AKPを代表して発言したユルドゥヌセヴェン議員は、デミルタシュ氏の釈放について何のコメントも行わなかった。
◾️答弁時間を満たす
ユルドゥヌセヴェン議員は、答弁時間を、国会議員不逮捕権とは何か、どのように停止されることになるか説明して使い切った。一方、野党国会議員は同議員の発言の際に「本題に入れ、党の見解を説明しろ」と声を上げ、と抗議した。ユルドゥヌセヴェン議員は、「我が大統領主導でクルドとの和解過程に進んだ。手続きを迅速に続ける中、このような動議が提出されたことは理解不能だ。」と話し、答弁を締めくくった。これを受けて、野党側から「時間をこのように埋めたのか、おめでとう。」と反応があがった。野党からの反発に続いて答弁したAKPの会派副代表ムハッメト・エミン・アクバシュオール議員も「すべての政党グループがそれぞれの見解を説明した。彼ら自身は気に入らないかもしれないが、我々も彼らの動議を歓迎しない。結果の上で、この場で民主的な方法で誰もが自身の意見を述べた。」と応答した。DEM党の動議は却下された。
◾️以前、「証拠がある」と言われていた
DEM党は今年、同様の内容の調査動議を2回も国会の議題に取り上げた。7月9日の議会審議でも、デミルタシュに関して提出された動議について発言したAKPのジュネイト・ユクセル議員は、「37名の我々の民が殺害された事件は、いかなる形であれ権利や自由の行使とは言えない。司法はこの苦しみを国民に経験させた者たちへ当然責任を求めなければならない。」と語った。
そして、AIHMの決定には「直ちに釈放する」との言葉はないと述べた。DEM党は1か月前の10月7日にも、この件に関して動議を提出していた。動議につき代表して発言したAKPのムラト・アルパルスラン議員も、「国民が暴力にいざなわれ、混乱を起こすために通りが火災現場に変わった日々を我々は共に経験した。残念ながら、2名の治安職員が犠牲となり、35名の民間人の命が失われた。混乱があり、蜂起があった。明らかに事件があり、この事件の被害を受けた犠牲者があり、集められた証拠がある。」と語り、裁判が続くことを明らかにした。2度の動議も否決された。
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( 翻訳者:佐田優美香 )
( 記事ID:61109 )