シリア:国内インフラは4,000万人におよぶ潜在的な観光客に対応できるか
2026年09月30日付 al-Watan 紙


■シリア観光はどこへ向かうのか…国内インフラは年間4,000万人受け入れに対応できるか

【ダマスカス:本紙】

経済回復の段階にあるシリアで、観光業が経済を動かす役割への期待が高まるなか、この分野を単なるサービス産業から、経済成長、外貨獲得、雇用創出を支える柱へと転換できるかが問われている。

経済専門家のイブラーヒーム・ナーフィウ・クーシュジー博士は、多数の観光客を受け入れるためには、ホテル、サービス、交通インフラを並行して拡充するとともに、価格競争力と観光商品の質を維持する必要があるとみている。

経済を支える観光

クーシュジー氏は、観光業がシリア経済にもたらす重要性は、直接的な観光収入にとどまらないと説明する。

観光業は国際収支に外貨をもたらし、雇用吸収力も高い。また、農業、食品産業、運輸、伝統工芸など幅広い分野と密接に結びついているため、観光客による支出は、観光施設そのものを超えて経済活動を生み出すという。

競争力を左右する価格

一方クーシュジー氏は、ホテルやレストランの料金がサービスの質に見合わない水準まで上昇すれば、トルコ、エジプト、レバノンなど地域の観光地に対するシリアの競争力を弱める可能性があると警告した。

観光客は価格とサービス水準を直接比較するためである。

また、料金が過度に上昇すれば、シリアを訪れる観光客の構成そのものが変わり、高額消費を行う観光客から、短期滞在客やトランジット目的の旅行者へ移行する可能性がある。その結果、1日当たりの平均消費額や外貨収入の低下につながりかねないという。

年間4,000万人の観光客

クーシュジー氏は、年間3,000万~4,000万人の観光客・訪問者を受け入れるという目標について、大きな戦略的転換を意味すると評価する一方、供給面のボトルネックを解消する必要があると指摘した。

なかでも、近代的なホテル客室を約30万~40万室まで増やすことが必要だという。

その内訳も高級ホテルだけでなく、ブティックホテル、低価格帯の宿泊施設、リゾートなど多様化させ、沿岸部、歴史都市、山岳地域、遺跡観光地まで広く整備する必要があるとしている。

まずインフラ整備から

クーシュジー氏は、この目標の実現には空港の整備が不可欠だと指摘する。アレッポ空港とラタキア空港の近代化、ダマスカス国際空港の処理能力拡大に加え、チャーター便や格安航空会社の利用を促進する必要があるという。

これと並行して、道路や公共交通網を近代化し、観光客向けの新たな輸送車両を整備することも求められる。

さらに、観光地における電力、水道、通信、下水処理の能力を高めるとともに、接客、観光案内、経営、デジタルマーケティングなどの分野で数十万人規模の人材を育成する必要があると述べた。

加えて、観光客を保護し、シリアの観光商品の競争力を高めるための品質基準を導入することも重要だとしている。

シリア観光はどこへ向かうのか

クーシュジー氏は、真の課題は観光客の数を増やすことだけではないとみている。

重要なのは、大量の観光客を受け入れ、それを実際の消費、収入、雇用へと転換できる観光産業を構築することである。

そのうえで、地域内でシリアが競争力を確保できるかどうかを左右する、価格と品質のバランスを維持することが必要になるという。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:61351 )