『シャー・ナーメ』は、行動・政治・文化の規範を語る作品であり、社会生活や政治活動に関するあらゆる側面、とりわけ統治のあり方を描くとともに、戦争の問題を取り上げている。
【イラン電子版】モハンマド・ジャアファル・ヤーハギー(フェルドウスィー大学ペルシア語・ペルシア文学教授)
『シャー・ナーメ』に語られるイランの歴史上のすべての戦争は、その大部分が平和的かつ防衛的なものであり、それらのすべてが交渉と配慮に基づいたものとなっている。そこには血生臭い戦争や大量虐殺につながる戦闘は決して存在しない。『シャー・ナーメ』に語られる戦争のほとんどは、交渉によって進められるのだ。
『シャー・ナーメ』における綿密に管理されかつ支配者の指導力に支えられた戦争の最も際立った事例の一つが、「12の戦い」である。この戦争は、イラン・トゥーラーン間の最も重要な戦いの一つと見なされているが、同時に、一連の極めて緻密かつ熟慮された交渉に基づいたものとなっている。イラン側はグーダルズが軍総司令官を務め、トゥーラーン側はピーラーンがこの任務を担う。ピーラーンは『シャー・ナーメ』中で最も尊敬される人物の一人であり、しかも敵側の陣営に属しているにもかかわらず、機転の利く外交手腕に長けた人物であり、イランの勇士やイラン文化は彼を調停者として扱っている。
はじめ、イランとトゥーラーンは自国の勇士と兵士をできる限り守るために交渉を行う。これにより両者の間で格闘技のみが行われることになり、より多くの得点を得た側が戦争に勝利することとなる。両者は、戦うにあたり自陣営から12人の勇士を選出し、勇士らを2人ずつ戦わせ、最終的にどちらか一方が勝利することに決める。戦争とはいえ友好的な形で行われ、彼らは互いにレスリングを行うだけだ。現代の言葉で言えばより多くの得点を獲得した勇士が勝者となり、もう一方はその勝者のために退場しなければならない。この戦いは、様々なグループに分かれてトーナメント方式で行われ、勝者が次のステージに進むサッカーの試合のようなものだ。この戦いのために各陣営から戦士が選ばれ、両陣営の2つの部隊がその戦いを監視する。多くの調査や研究によれば、この戦いの舞台はホラーサーンのゴナーバード近郊、ズィーバド付近の村だった可能性が高い。この村は数年前から再建中であり、我々はこの舞台を蘇らせるべく取り組んでいる。こうして軍の監視部隊が両陣営を監視し、勇士たちは日中に一人ずつ戦いの場に足を踏み入れる。『シャー・ナーメ』の戦いに夜間の戦いはなく、夜襲が描かれることはない。概して休息の時は戦闘が禁じられ、両軍が対決するのは特定の時間のみで、しかも事前の取り決めと交渉によって行われる。対戦する二人は部隊の前に出て[戦い]、いずれかが勝者になり、当然のことながら、その相手側が敗者となる。
−(2)に続く−
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( 翻訳者:AA )
( 記事ID:62147 )