アメリカからイランに向けた経済制裁の影響は
2026年08月24日付 Cumhuriyet 紙
アメリカは、イランに向けた新たな経済制裁を前にイラン政府を「今日までで最大の経済戦争」と脅した。アメリカ政府の新たな措置がイランだけでなく、同国と交易をする第3国も標的になりえると明らかにされている。トルコもこうした国々の一つである。
アメリカのスコット・ベッセント財務長官は、ファイナンシャル・タイムズのために筆を執り、「夜明けとともに経済的な精算の日が始まる。これは、アメリカが敵国に対して仕掛ける最大の経済戦争となるだろう。」と述べた。
ベッセント長官は、今日、トルコ時間の21時に行われる記者会見で新たな経済制裁を発表するとみられている。イランと経済・財務上の関係を続ける国も標的とする可能性があるというアメリカ政府の警告は、イランの主要な交易相手国を再び話題にした。
■イラン産原油の最大の買い手
最大の危機にさらされる国は、中国だろう。中国は、イラン産原油の圧倒的で最大の顧客である。イラン産原油の輸出の80%以上は中国へ向かう一方、クブラーのデータによると、中国政府は2025年にイランから1日当たり平均1億3800万バレルの原油を購入した。
ロイター通信によると、経済制裁から逃れる目的でイラン産原油の一部は中国に向けマレーシア産、最近ではインドネシア産として届けられている。支払いは、人民元を通して、動向を追える強力な仲介者を利用して実施している。アメリカは、4月に何十億ドルものイラン産原油を購入する、独立した中国の製油所を制裁対象リストに加えた。中国の銀行も第二次制裁によって警告された。
■トルコと天然ガスのつながり
トルコとイランの間では年間交易額は約50億ドルから60億ドルの水準である。トルコは、このうちの約30億ドル分ををイランに向けた輸出で賄っている。
両国関係の最も重要な支柱を、エネルギーがなしている。天然ガスの需要のほとんどすべてを輸入で賄うトルコの、天然ガス総輸入額の約13%をイランから輸入している。トルコ政府は、現在までイラン政府との貿易額を減らす方向での徴候を発していない。
■イラクは大きな貿易相手
イラクとイランの間の貿易額は2025年に100億ドルを超えた。イランは、イラクに食料や消耗品を筆頭に幅広い商品を輸出している。
より重要なのは、天然ガスである。イラクは、発電において使用するイラン産天然ガスに年間40億ドルから50億ドルを払っている。新たなアメリカの制裁は、イラク政府のイランへの支払い及びアメリカの制裁から逃れることを困難にさせる。
■オマーンとの貿易拡大
オマーンは、長い間、イランとの近しい関係を守っている一方、アメリカ政府とイラン政府の間で時折交渉役の役割も果たしている。
両国間の交易額は2025年に15億ドルに達した。2026年の最初の4カ月は、約3億4500万ドルの貿易が行われた。
■パキスタンと密貿易
パキスタンとイランの間で、原油、小麦、米、動物、薬を筆頭に大規模な密貿易が行われている。
非公式の推計によると、両国間で貿易額の合計は約40億ドルの水準である。イラン政府とパキスタン政府は、100億ドル越えを狙っている。このため、イランと交易をしている国に向けた第二次制裁は、パキスタンから見ても深刻なリスクとなり得る。
◾️「中継の扉」アルメニア
アルメニアとイラン間の交易は2025年に7億6800万ドル行われた。2026年の半期では8.4%増加して3億7140万ドルに上昇した。
アルメニアにとってイランの重要性は二国間交易にとどまらず、アルメニアの対外交易の凡そ20%がイラン経由であることである。二国間では更にイランのガスはアルメニアで電力生産に使われており、その対価でイランに電力が送られる「天然ガスを対価とした電力」という仕組みがある。
◾️アゼルバイジャン増加傾向
アゼルバイジャンとアルメニアの交易も増加している。2026年の最初の半年で両国間の貿易は昨年の同時期と比べ4.5%増加し3億1260万ドルに上昇した。
アゼルバイジャンのイランからの輸入は凡そ2億9700万ドルであるが、イラン向けの輸出は1560万ドルに伸びた。アゼルバイジャンの総輸入に占めるイランの割合は2.54%から3.56%に上昇した。
◾️第二次制裁のリスク
アメリカ政府の脅しの範囲は未だ発表されていない。ただイランの交易相手をも標的とした大規模な第二次制裁が実施される場合、最大のリスクは中国の石油交易で発生する可能性がある。
トルコとイランにとって天然ガス上の結びつき、パキスタンにとって非公式の国境貿易、アルメニアにとってエネルギとイランを介した中継網などは、制裁の影響を増し得る、主要な打撃点として顕在化する。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:62724 )