メッカ共同防衛協定と新たな分極化
2026年10月09日付 Jam-e Jam 紙

 最近、リヤドで開催されたパキスタン、トルコ、サウジアラビアの外相、国防相、軍参謀総長による合同会合は、この地域において新たな宗派的・党派的分極化が生じつつあることを示唆している。

執筆者;ハサン・ハーニーザーデ

 この会合では、アンサールッラー[フーシ派]部隊およびイエメン軍[サナアに拠点を置くアンサール・アッラーの傘下にある軍隊]に対抗するために、アンサールッラーとイエメン軍をバブ・エル・マンデブ海峡周辺から排除することを目的として、サウジアラビア、パキスタン、トルコが共同防衛軍を結成することが決定された。

 伝えられているところによると、パキスタンはアンサールッラーを鎮圧するため、サウジアラビアに約3万人の部隊を派遣する意向である。もしこれが実現すれば、地域の情勢、及びサウジアラビア・イエメンの間の紛争は、両国の国境を越えて拡大することになるだろう。パキスタンはここ数カ月、米国とイランの対立の終結に向けて建設的な役割を果たし、それによって特にイスラーム諸国内で国際的な地位を高めてきたが、イエメンのアンサールッラーに対する戦争への参加は、間違いなくイスラーム諸国の激しい反発を招くだろう。

 2015年、サウジアラビアはイエメン国民に対して残忍な戦争を開始した。この紛争は7年間にわたって続いたが、パキスタンがサウジアラビア主導の対アンサールッラー連合軍の一員であったにもかかわらず、サウジアラビアは戦況を自国に有利な方向へと転換させることはできなかった。

 さらに、トルコはNATO加盟国であるため、この軍事・安全保障機構からの承認なしに国境を越えて軍隊を派遣することはできない。したがって、サウジアラビアによるアンサールッラーに対する新たな戦争において、トルコは後方支援および情報収集の役割を担うことになるようだ。

 サウジアラビア空軍の広範な支援を受けてイエメンの各都市に対して行れたサウジアラビアの傭兵たちによる最近の攻撃、およびアンサールッラーとイエメン軍によるこの攻撃に対する痛烈な反撃は、この地域がバブ・エル・マンデブ海峡付近で新たな危機発生の瀬戸際に立っていることを示している。ここ数日、サウジアラビアの傭兵たちは、アル・フダイダ、アル・ジャウフ、アムラーン、ラヒジュ、タイズの各都市を再度占領することで、イエメン北部と南部の連絡を断ち切り、最終的には、バブ・エル・マンデブ海峡付近にある大ハニシュ島および小ハニシュ島を占領しようとした。

 そのため、サウジアラビアは、アンサールッラーが弾道ミサイルでメッカとメディナを攻撃しようとしていたと主張し、イスラーム諸国の世論をアンサールッラーに敵対させるよう扇動しようとしている。これに対し、アンサールッラーはアブハー、ヤンブ、リヤド、ジーザーンの各都市にあるサウジアラビアの石油・軍事施設への攻撃を強化し、さらにバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖することで、サウジアラビアの石油輸出を前例のない水準まで減らした。

 メッカ共同防衛協定の締結は、サウジアラビア軍がアンサールッラーやイエメン軍に対抗できないことの故に行われたのであり、実のところ、この軍事複合体が隣国であるサウジアラビアとイエメンの2つのイスラーム国家間の宗派対立を激化させようとしていることは、極めて明白である。

 イエメンとサウジアラビア間の戦争にトルコとパキスタンが介入したとしても、それが地域の緊張緩和に寄与しないばかりか、この地域に危険な新たな党派的分極化を生み出すことになるのは当然のことである。

 その理由は、過去数十年にわたり、サウジアラビアが党派的・宗派的な見方に基づき、アンサールッラーを「抵抗の枢軸」の一翼と見なすゆえに、イエメンの権力構造から排除しようとしてきたことである。

 したがって、この地域のイスラーム諸国内でのパキスタンとトルコの地位を考慮すれば、両国が取るべき論理的な行動は、イエメンの人々を殺害するために軍隊を派遣するのではなく、新たな宗派間紛争の勃発を防止すべく、リヤドとサナア間の和解の礎を築くことである。

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( 翻訳者:NH )
( 記事ID:62908 )