レバノン国会議長、多数派勢力を非難(アル・ナハール紙)
2006年11月28日付 Al-Nahar 紙
■ アナン事務総長「国内情勢への対処はレバノン国民の責任で、国連の責任ではない」
■ レバノン国内の危機、一進一退の状況 仲介の努力は麻痺
■ ビッリー国会議長、多数派勢力を攻撃 街頭行動に懸念示す
2006年11月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
重苦しい一進一退の空気が、昨日のレバノン国内の政治的な動向に漂っていた。政治的行き詰まりを打破すべく行われている努力や連絡も、完全な麻痺の状態にあるようであった。
レバノンのセニョーラ首相が国際法廷設置規定の草案をラッフード大統領に提出するなかで消息筋は、国際法廷設置案の承認に至るまでの憲法および法律上の期限が経過するのを待つ間にも、おそらく政治的抗争が白熱するだろうと述べた。特に昨日は、反対派勢力が今日明日中にも街頭行動に打って出るとの可能性についての情報が広く伝えられ、仲介の試みに対しては複数の条件が提示され、さらにそれに対抗する条件が提示されるといった状況で、全ての政治的勢力は自らの立場に囚われて身動きができずにいる。
キリスト教徒勢力間の緊張状態への対応をめぐって同筋が伝えたところによると、ここ数時間の連絡協議で進展が見られ、ミシェル・アウン議員は本日、スィン・アル=フィールにあるアミーン・アル=ジュマイエル元大統領宅に弔問に訪れると見られている。
3・14勢力は昨夜クレイティム[地区のハリーリー邸]において会合を開き、全体の状況について、とくに国際法廷承認問題と、ナビーフ・ビッリー国会議長との間で継続する予定の連絡協議について話し合った。また反対派勢力が今後数時間のうちに漸次[街頭]行動を開始する可能性があるとの報告を受けて、多数派勢力のとるべき対応策についても話し合われた。
そうしたなかでビッリー国会議長が表明した立場は、政府および多数派勢力に対する強硬な姿勢が目立つものであり、レバノン国内の危機が現在のところ、一進一退しながら停滞している状況にあることを反映していた。
ビッリー議長は「現在求められているのは、現政府の成立の時点に状況を戻す以上のことではない」と述べ、「多数派勢力はこの件について私と話し合った。私が提案を行い、多数派勢力はそれに同意したにもかかわらず、残念なことに、国民対話会議で結論の出ている大統領進退問題に再び固執した」と述べた。また「(多数派勢力はピエール・アル=ジュマイエル工業相の暗殺を)街頭行動の口実に利用した。今回の行動は決して、殉教者であり僚友であるピエール・アル=ジュマイエル工業相のためのものではなかった」と非難し、「厳粛で大規模な葬儀に、我々が目にしたようなスローガンは必要ない。ともかく彼らの目論見は外れ、彼らの利益にはならなかった」と述べ、葬儀集会に参加した人々の数は10万人未満であったとの見積もりを示した。またビッリー議長は「街頭行動に懸念を抱いている。多数派勢力が私の主張しているように配慮を示すことを望みたい。彼らは状況を認識してたった一つ、連日行われている違憲行為をやめてもらいたい」と述べた。国際法廷の問題については、ビッリー議長は法律と憲法に反する姿勢をとるつもりはないと述べ、「(現政府は)違憲であり、協定に反している。これは国際法廷の問題とは無関係である」との見解を再度示した。
(後略)
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翻訳者:鳥居洋介
記事ID:4058