記者レポート:アフガン人就労者の雇用を巡る現実 シャルグ紙
2006年09月07日付 Sharq 紙
2006年9月7日 シャルグ紙
【社会部】地下20メートル。労働者たちは仕事についている。合法、非合法のアフガン人がノウボンヤード広場近くのトンネル掘削作業に従事している。テヘランの地表水を集めて北部へと送るための500kmに渡る水路敷設計画の一環である。労働者たちは心穏やかだ。この20mの地下に滞在許可証や労働許可証を検めに外国人局や労働省の役人が来ることはないと確信しているのだ。
従って、歌を歌ったり、冗談を言ったりしながら仕事をしている。現場のリーダーや監督技師、専務取締役に伴われて、記者たちが20mの地下にやってきて、少々仕事が混乱する位だ。アフガン人たちが、この市役所の仕事を始めて日は浅い。彼らがこの仕事に就いたのは、恐らく、内務省外国人局長が、アフガン人は外国人局が打ち出したアフガン人帰還計画を歓迎していないようだと述べ、また同時期に労働省雇用局長が、イランにおける外国人の就労には同局職員が特別に対処するつもりであり、これまでとは異なり、雇用者にも罰金を科す予定があると発表した後のことであろう。
現場では労働許可を持たないアフガン人たちの一日の労働に、少なくても6万トマン(約7660円)かかる。同雇用局長はまた、政府や公的機関の請負の仕事であっても、同様に罰金の対象になると語っており、市役所ではこうした雇用者の仕事を支援するのは控えなければならなくなってしまった。しかし局長は、市役所自体が〔外国人を直接雇うことで〕罰則の対象者となった場合はどうなるのか、といったことは話していない。
現在テヘラン州では40万の働き口がアフガン人のものとなっており、そのほとんどがテヘラン市内である。テヘランのモハンマドバーゲル・ガーリーバーフ市長も、以前市民にこんな約束をしていた。アーザル月の終わり(12月下旬)までにはアフガン人不法就労者の市役所内の雇用問題、また関連する請負業者の問題を解決する、と。
しかしながら、昨日午前、テヘラン市役所と関係する複数ある企業のうちの一つの責任者は、イラン人労働者が集まらない以上、アフガン人を雇わざるを得ない、と語った。堤防整備会社の専務取締役を前にこう語った彼は、彼の会社が抱えている2つのプロジェクトに現在どれだけのアフガン人労働者が従事しているのか把握していないものの、アフガン人労働者を雇っていること、さらには一部のアフガン人労働者が、無許可であることを明らかにした。
この発言を受けて、アーガー・ボゾルギー専務取締役も、この問題は国内で拡大しており、避けられないと語った。同氏は、記者団を前に、沈砂池及びバーゲラーザール水路敷設プロジェクト現場で語り、地表水を集めるために行われているプロジェクトについても、「バーゲラーザールの水路は、ダーラーバードの上流域にあたる。最終的にはレサーラト・ハイウエイを通って、エブラーヒーム水路、バーフタル水路へと放出される。沈砂池及び、ダーラーバードと交差する地点までの水路敷設が作業内容となっている」と説明した。
(中略:プロジェクトの地域と規模についての説明)
記者団による地表水の集水のための3つのプロジェクトの視察が終わると、ちょうど労働者の午前の仕事が終わる時間になり、彼らは昼食に入った。数時間、太陽の下にいた事による疲れは、朝のジャムシーディーエ・トンネルの爽やかさへと変わっていく。そのとき、技師の一人が穏やかに言った。「労働省の待遇では、こんな仕事をしようというイラン人は誰もいないよ。大目に見てもらわなくちゃ。」
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翻訳者:關岡 敦子
記事ID:3450