■ レバノン軍支援のためアメリカからベイルートへ空の架け橋
2007年05月26日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ベイルート:通信各社】
昨日、レバノン北部に位置するパレスチナ難民キャンプ、ナフル・アル=バーリド周辺に比較的平穏が戻った。この難民キャンプにはファタハ・アル=イスラームのメンバーが立てこもり、レバノン軍による包囲が続いている。
この数時間前には銃撃戦が発生し、レバノン軍がファタハ・アル=イスラーム側に反撃したことで火曜日から履行段階に入った停戦の崩壊が危惧されていた。
レバノン軍筋は「レバノン軍は停戦を尊重するが、攻撃を受ければ全力で反撃する」と述べた。一方、ファタハ・アル=イスラーム側のスポークスマンであるアブー・サリーム・ターハ氏は「停戦の尊重は約束したが、降伏はしない」と強調するが、一部メンバーの中には海からの逃走を企てるものも出ている。
AFP通信の集計によれば、ナフル・アル=バーリドで日曜日から続いた衝突による死者数は78人にも上っており、そのうち33人はレバノン軍兵士、25人はファタハ・アル=イスラームのメンバーで、残りは一般市民である。
同じ頃、レバノン軍に対するアメリカからの軍事補給の第一陣が到着した。西側情報筋はレバノン軍への装備や砲弾の引渡しのために8機の貨物機が昨日からレバノンに到着し始めたことを明らかにし、これらの装備品はレバノン軍に以前から要望されていたものであると付け加えた。
ワシントンでは米国務省のコンドリーザ・ライス長官が、レバノンの状況およびナフル・アル=バーリド難民キャンプ周囲で起きているレバノン軍とファタハ・アル=イスラーム間の衝突を、合衆国は注視していくと強調し、「亀裂をもたらし安定を揺るがそうとする過激派から国民を保護する義務のためにレバノン政府は最大限に努力している」と付け加えた。
一方でファタハのレバノン代表スルターン・アブルアイナイン氏は、名指しはしなかったもののパレスチナの諸勢力がファタハ・アル=イスラームという現象の早期解決に遅れをとったことを非難し、そのことがパレスチナ人市民におよぼす危険性を警告した。また同代表はファタハが単独でこの問題の解決にあたることも武力を行使することもないと強調し、いくつかの勢力がパレスチナ難民キャンプ内でファタハおよびレバノン軍に敵対する世論を煽って事態を悪化させようとすることの危険性を警告した。
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翻訳者:並木麻衣
記事ID:11000