レバノン元首相暗殺事件に関する調査団がサウジアラビアで調査

2007年05月31日付 Al-Nahar 紙
■ 国際調査委員会、サウジアラビアで検体を収集

2007年05月31日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【インターネット】

 サウジアラビアの「アル=ワタン」紙は昨日、ラフィーク・アル=ハリーリー元レバノン首相暗殺事件に関する国際調査委員会の調査団が同国を訪問し、先週月曜日にターイフ市からおよそ250キロメートルの距離にあるズルム地方の土壌と水から検体を収集したと報じた。今後は国内の別の場所3ヶ所でさらに検体を収集する予定だという。

 同紙の説明によれば、調査団にはサウジ人の専門家たちと、「ドイツ人1名、カナダ人1名、エジプト人複数」の地質学専門家が含まれ、ズルム地方の現場で任務を遂行したのち、同じ目的のためアスィール地方に移動したという。

 サウジアラビア内務省の報道官であるマンスール・アル=トゥルキー少将は、国際調査団の措置は「故ハリーリー元首相暗殺の犯人を明らかにする委員会の努力を支えるため、国際決議の要請に基づいてサウジアラビア王国が行う協力の一環」に含まれると語った。特定の人物に対する容疑の存在については否定し、「きわめて先進的な基準に則った犯罪科学捜査が進行中である」と述べた。

 サウジアラビアの治安当局筋によると、「調査はサウジアラビア王国の担当部署の主導で行われているが、サウジアラビア人に容疑がかけられているということではない」という。また、「調査によって犯人の身元を特定するか、あるいはそれに近づくことが出来るかも知れない。委員会の報告書の指摘によれば、デオキシリボ核酸(DNA)鑑定検査の結果、爆発の現場で痕跡が発見された自爆攻撃犯はレバノンでの滞在期間が2~3ヶ月以内であり、すなわち国外から来たことが明らかになっている」とのことである。

 同報告書では、レバノン国内および近隣諸国の102ヶ所から同様の検体が収集されたことについて言及している。

 ズルム地方での検体収集に立ち会った「アル=ワタン」紙記者は、調査団員がおよそ9平方キロメートルにおよぶ周辺地域で草や土壌、石、水からも検体を採取するのを見ている。

 同紙によれば、今回の調査では周辺地域3ヶ国以上が対象になるとのことで、その中には関係10ヶ国のうちの1ヶ国としてアラブ首長国連邦も含まれているという。

 国際調査委員会は3月半ば、殺人犯の出生地域あるいは育った地域の特定に努めているところだと明らかにしている。


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翻訳者:香取千晴
記事ID:11053