ファタハ・アル=イスラームが立てこもるキャンプにレバノン国軍が激しい砲撃、増え続ける犠牲者

2007年07月15日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ レバノン:2日間で9人の兵士が死亡

2007年07月15日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベイルート:本紙サアド・イリヤース】

 原理主義組織ファタハ・アル=イスラームの構成員が立てこもりを続けているナハル・アル=バーリド難民キャンプから、最後まで残っていた民間人が脱出した後に起きた激しい衝突で、この2日間に将校1人を含む9人のレバノン兵が死亡した。軍報道官はテロリスト集団の銃撃により金曜日に2人の兵士が殉死したと発表しつつ、軍はファタハ・アル=イスラームのメンバーが降伏するまで作戦を継続すると強調した。また同じ金曜日には、木曜日に受けた負傷が原因で別の兵士一人も死亡している。

 木曜日には将校1名を含む6名の死者が出ていたため、これで木曜早朝に始まった戦闘による2日間の死者の数は9人に増えた。今回の戦闘は、テロ行為への関与が疑われる集団の残りの人員に対する最終攻撃の始まりではないかと思わせる、これまでにない激しい砲撃によって開始された。

 木曜日にはレバノン人の民間人1名もファタハ・アル=イスラーム側の銃弾を受け死亡、金曜日に入って同組織はキャンプ周辺地域に対して11発のカチューシャ・ロケットを発射したうえ、軍の拠点を標的に狙撃を行った。

 軍指導部は金曜日、「キャンプ近隣の村々に向かって複数のロケットを無差別に発射している武装勢力の残党に対し、軍は締め付けを強めている」との声明を発表した。

 治安筋によれば、カチューシャ・ロケットはアッカールとマニーヤ両地区の果樹園や農地に着弾し、そのうち1発はある村の広場に着弾して自動車一台を破損させたが、中に乗員はいなかった。

 軍はその声明で部隊は前進していると指摘し、「最近になって、テロリストたちが軍への攻撃や基地を狙った狙撃の拠点としていた複数の建物を占拠した」と発表し、工兵隊がこれらの建物からの地雷や罠の除去と、通りに置かれた障害物の撤去に当たっていることを明らかにした。

 過激イスラーム主義戦闘員が集結している1949年にUNRWAが建設した旧キャンプの南側に対するレバノン国軍の砲撃は金曜日も続いた。様々な口径の砲弾が時として集中的に、また時として散発的に着弾している。夜のうちは不穏な静けさが広がっていたが、現地時間朝6時(グリニッジ標準時3時)から砲撃の音が聞こえ始めた。

(後略)


現地の新聞はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:新谷美央
記事ID:11454