■ パリでアウン将軍とハリーリー代表の「首脳会談」、翌朝未明まで続く
■ 合意による大統領選出で合意…候補者についてはマロン派教会の決定待ち
2007年11月01日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
昨日パリで行われたミシェル・アウン中将と「ムスタクバル・ブロック」代表であるサアド・アル=ハリーリー議員の会談に関しては、メディアへの情報の流出が厳しく抑制されたが、そのことは、2回にわたって夜遅くまで詳しい情報を一切漏らすことなく行われたこの会談に、異例の重要性を与える一役を担った。
フランス政府は自国で行われたこの会談への関与を否定しているが、この長時間の会談に先立ち、シャトル外交を担当しているジャン=クロード・コスラン仏特使がこの2人のレバノン人指導者と会見しており、非公式な形で「フランスの天使」の存在があったことを観測筋は見逃さなかった。
いずれにせよ昨日のパリは、レバノン大統領選出問題のための特別集中治療室の様相を呈していた。アウン中将とハリーリー議員が少なくとも1年ぶりの二者会談で最も困難な対話を敢行するなか、アメリカのデイヴィッド・ウェルチ中東問題担当国務次官補は、フランスのニコラ・サルコジ大統領の補佐官らと、これも秘密裡に協議を行った。これはサルコジ大統領とアメリカのジョージ・ブッシュ大統領が来週ワシントンで予定している首脳会談に備えるとともに、イスタンブールでのイラク近隣諸国会議に際して、レバノン情勢に関して見られるかも知れない進展について米仏の立場を調整しておくためのものであった。
レバノンの各関係者らは、大統領選出問題の解決を阻む壁にあるいは風穴を開けることになるかも知れないアウン・ハリーリー会談の結果を非常な関心をもって見守っていた。だが一方で大統領選出問題をめぐる各派の強硬姿勢による事態の激化という暗雲が立ち込め始め、情勢が袋小路に陥ることへの深刻な不安を生み出している。
消息筋は本紙に対して、「今回の会談は非常に微妙な時期に行われた。コスラン特使がダマスカスを訪問し、シリアの強硬姿勢に直面するという展開によって、事態の激化が懸念され、大統領選出をめぐる合意のためのイニシアティヴが崩壊する深刻な危険性をはらんだ構図が生まれているからだ」と述べた。
(後略)
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翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳)
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