研究によれば、世界には100万種類の昆虫が命名・確認されているが、昆虫はその種類が膨大であるために、この数は10倍にもなりえると学者たちは推定している。このうち1万6千から2万種が昼間活動するチョウ類に属し、イランには約400種類が生息している。
チョウの生息地で最も重要なもののひとつが山地の生態系であるが、今日、山地の土地の利用法の変化、また、家畜の過放牧が原因で、昆虫の生息地は危機に瀕し、チョウの生息も脅かされつつある。残念なことに一部の地域では、目撃されるチョウの種数が昨年に比べて激減している。
【ハミーデ・サーダート・ハーシェミー】チョウは完全変態を行う昆虫で、鱗翅目(学名Lepidoptera)に属する。鱗翅目にはガとチョウが含まれる。世界では18万種以上のガとチョウが確認されており、このうちチョウにあたるのは1万6千種である。
イランでは、400種類のチョウと3000種類のガが確認されている。この400種類のチョウのうち約60種は、世界でも他では見られないことから、イランの在来種といえる。
これについて、環境保護庁生物種・遺伝子資源事務所のアリーレザー・ナーデリー昆虫課長は次のように述べる。「研究によれば、イランは山地の多い国であるから、山地の生態系を維持することは昆虫類の保護に極めて重要である。昆虫がいなくなれば山地の生態系は危機に瀕し、山地が破壊されれば昆虫もいなくなる。」
同課長は、「研究が示すとおり、昆虫は授粉や食物連鎖で生態系における基本的な役割を果たしており、このことは山地の生態系、特に標高の高い山岳地域の生態系でより顕著に現れている。」と付け加えた。
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翻訳者:中根敦
記事ID:12589