アラブ連盟事務局長がベイルート再訪、レバノン各派と協議へ
2008年02月05日付 Al-Nahar 紙
■ ムーサー・アラブ連盟事務局長、本紙に:「スレイマーン国軍司令官が候補」
■ アラブ諸国提案について協議のため再度ベイルート訪問へ
2008年02月05日付アル=ナハール紙(レバノン)HP国内政治面
【ハリール・フレイハーン】
アムル・ムーサー・アラブ連盟事務局長は本紙に対して、今週木曜日から、レバノンに関する「アラブ諸国提案」の実施について協議を行うと述べた。この提案は、次期大統領を選出して、政府支持勢力および反対派勢力の有力指導者との話し合いによる閣僚配分に基づき、挙国一致内閣を樹立するというものである。
閣僚配分は、『国会内多数派勢力』が決定権を独占することはなく、また反対派勢力が要求している「保障のための3分の1」、政府支持勢力が言うところの「妨害のための3分の1」を反対派勢力が獲得することで、閣僚会議に提出される決議案の可決を妨害する権限が与えられることもないという原則を確立するものになる。そのうえで、次期議会選挙の準備に着手することになる。
消息筋が注目しているのは、ムーサー事務局長のベイルート再訪問が、去年11月24日の夜に任期が終了したエミール・ラッフード前大統領に代わるレバノン大統領選出のための議会を開会するべくナビーフ・ビッリー国会議長が決定した14回目の期日を4日後にひかえて行われるということである。
この再訪問が重要なのは、反対派勢力がスレイマーン中将の大統領選出に便宜を図る用意がどのくらいあるのか、或いは閣僚ポストの配分をめぐる対立のために再びムーサー事務局長の任務を失敗に終わらせようとしているのかを確かめる機会になるからである。
諸大国は今回、メディアを通して反対派勢力と政府支持精力の指導者の間で脅迫を含んだ激しい非難合戦が交わされる緊迫した空気の中で開始される、ムーサー事務局長の任務に注目している。先日、国内治安部隊情報部技術課長であったウィサーム・イード少佐とその他の罪の無い犠牲者たちが、少佐を標的としたテロ攻撃によって殺害されている。
続いてマール・ミハイル地区で恐ろしい犯罪が起こり、政党責任者を含む7人もの市民が死亡し、民間人と軍人複数が負傷した。その後の軍の調査で一週間の内にこれに関与した数名と犯行の経緯が特定され、高級将校3人、兵士と下士官6人、また武器の不法所持容疑で民間人6人が逮捕された。
政治・外交筋は、ムーサー事務局長がベイルートを再訪する決定をしたことに対して満足を表明し、今週末に事務局長が主催する会合での協議において、両勢力に組閣のあり方について説得することができるだろうとの期待を示した。会合には与党連合からカターイブ党のアミーン・アル=ジュマイエル最高代表、ムスタクバル・ブロック代表のサアド・アル=ハリーリー議員、反対派勢力からはミシェル・アウン中将が出席する見込みだ。事務局長が両勢力を説得することができれば、ミシェル・スレイマーン国軍司令官を来週月曜日に大統領として選出することは確実になり、できなければビッリー国会議長は、レバノン大統領選出のための国会を15回目に延期することになるだろう。
(後略)
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翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳)
記事ID:13088