レバノン与野党の支持者が衝突、事態鎮静化へ治安当局と各派が協議

2008年02月18日付 Al-Nahar 紙
■ ローマ法王、緊迫化の兆候と暴言に懸念
■ ムーサー事務総長、2月24日に4者会談を行うと言明
■ レバノン国軍が競合する各勢力を批判、集会の開催を避けるよう呼びかけ
■ 夜にも情報機関と各党関係者による協議で適切な措置と「隠蔽工作の禁止」へ準備

2006年02月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ベイルート市内の諸地区の通りは昨夜、半ば無人の状態であった。特に若者のグループや与野党の支持者による度重なる衝突が発生している地区においては荒涼たる有り様で、宗派対立を背景にした鬱血が爆発するような現象に対する不安が高まっていることを物語っていた。そのような現象の反響はアラブ諸国や世界各国で広がり始めており、とりわけ欧米のメディアの中にはこれらの衝突を、宗教・宗派による暴力の波として取り上げているものもある。

 そのような不安をさらに煽るかのように昨日、タリーク・ジャディーダ地区とサブラ地区で衝突が発生し、レバノン国内の政治勢力と同盟関係にある一部のパレスチナ勢力が衝突に巻き込まれる危険性が出てきた。これは従来とは異なる新たな解決策が必要になり、国軍司令部と政界の当事者が直接関与することになった。

 政界関係者の見るところによると、連日の衝突の発生による事態の悪化を食い止めるため、国軍および国内治安部隊が例外的かつ厳しく断固たる措置を講ずることへの政界の一致した支持を確保する方向に向けて、このところ劇的な展開が始まっている。そうしたなかで諸政治勢力は、争乱に巻き込まれることを拒否するという自らの姿勢が真実であることを証明すべき立場に立たされている。

 また同関係者が注目しているのは、こうした情勢の中でナビーフ・ビッリー国会議長が国外におり、フアード・アル=セニョーラ首相が昨日クウェートと英仏への歴訪を開始し、さらには「ムスタクバル・ブロック」代表であるサアド・アル=ハリーリー議員がリヤドに滞在しているという奇妙な状況である。

 これらの要人が国外にいる現在、ダマスカスでのアラブ首脳会議開催の前に次期大統領選出問題を解決するための新たな努力が行われているとの説がある。それはつまり、アラブ諸国およびヨーロッパ諸国が解決に向けて活発な動きを展開しているということであり、レバノン国内の治安情勢への不安ゆえに、この動きが強化されているということであろう。

(後略)


現地の新聞はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:鳥居洋介
記事ID:13245