おお、岸辺に腰をかけ、浮かれ笑う人々よ!
ウルミエ湖がどんどんと干上がっているではないか!!
[訳注] ニーマー・ユーシージ(1897-1960)の詩『おお、人々よ!』の一節をもじったもの。
【ジャーメ・ジャム・オンライン】環境保護庁は、イラン最大の内陸湖であるウルミエ湖の急激な水位低下を報告し、このまま水位の低下が続けば、完全に干上がってしまうという悲劇は避けられないであろうという警告を発した。
本日付で発表された同庁広報によれば、ウルミエ湖の水位は、二日に1cm低下しており、夏になると二日で6cmの水位低下が予想される。
この問題について、東アゼルバイジャン州環境局局長のカユーマルス・キャラーンタリー氏は、ウルミエ湖は危機的な状態にあると述べた上で、現在のウルミエ湖国立公園の水位は、昨年より43cm低下していると発表した。
同局長は、「現在のウルミエ湖国立公園の水位は、1272.70cmだが、ちょうど一年前の同じ日の水位は、1273.13㎝であった」と報告した[訳注:水位を示す数値に関して、誤植があると思われるが不明。]
キャラーンタリー局長は、「降雨量の減少が、ウルミエ湖の今年の水位低下の最大の要因である。また、激しい水分蒸発と今年秋まで続く気温の上昇が早い時期から起きていることにより、二日に1cmという水位減少につながっている」と述べた。
(中略)
同局長は、「ウルミエ湖国立公園危機対策本部を設置し、予想される危機の管理、および、国立公園内の数多くの島に生息する野生生物の最適条件を保持するための計画の実行に向けて、すでに必要な措置を講じている。そのなかには、他の生息地域に野生生物を移すことにより、生物の過密な生息状況を緩和するという方法もふくまれている」と発言した。
また、キャラーンタリー局長は、次のようにも話した。
「いまや、ウルミエ湖水面のうち120ヘクタール以上が、塩地になってしまった。このことは、周辺地域の農業や果樹栽培、観光といった他の土地利用にとっても深刻な脅威であると考えられる。」
さらに、同局長は、ウルミエ湖国立公園が抱える最も深刻な問題として、水位低下により)湖内の島々の一部が陸地とつながってしまったこと、また、桟橋が使用できなくなっているほか、タグボートの通行が困難となっていることを挙げた。さらに、塩分濃度が1リットル当たり330グラムにまで達し、
アルテミア[塩水湖に生息するエビ・甲殻類の一種]が発生しなくなったり、鳥が(湖水が干上がって堆積した)塩の中で動けなくなるなどの被害のほか、湖内の島々の植生の変化、また島内の淡水泉の湧水量の減少なども、重要な問題であると述べた。