ヒズブッラー書記長、国防戦略をめぐる協議に応ずる姿勢示す
2008年07月17日付 Al-Nahar 紙
■ イスラエルが兵士2人の死に「落涙」、レバノンの捕虜歓迎式典を「忌むべきこと」と表現
■ 捕虜と遺体の返還後、国家が役割を果たし国連決議を履行すべき時が到来
■ スレイマーン大統領、シャバア農場の解放へ展望示す
■ ナスルッラー・ヒズブッラー書記長、国防戦略に関する協議の用意を表明
2008年07月17日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
捕虜5人の帰還とレバノン人・パレスチナ人・アラブ人戦闘員199人の遺体の移送が今日完了した後、レバノンはミシェル・スレイマーン大統領の在任中初めての内閣[施政方針]声明に盛り込まれる予定の国連安保理決議第1701号をはじめとする国連決議の履行に向けて始動する。政府は昨日初閣議を開き、恒例の写真撮影が行われた後、委員会が組織され今日から施政方針声明の準備に取りかかる。
スレイマーン大統領は、ラフィーク・アル=ハリーリー国際空港で昨日行われた帰還捕虜らの公式歓迎祝典での演説の中で、「レバノンがシャバア農場とクファルシューバ丘陵地帯の完全な主権を取り戻す」という次のステップを明らかにした。
ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は昨夜、ベイルート南部郊外で行われた帰還捕虜らの歓迎祝典で、「スレイマーン大統領が捕虜帰還歓迎の演説で述べた全ての言葉を支持する」と述べた。
スレイマーン大統領とナスルッラー書記長の演説のどちらもシリアの刑務所に収監されているレバノン人行方不明者については言及せず、スレイマーン大統領が「行方不明者の帰還」について言及するにとどまった。一方ナスルッラー書記長は、30年前にリビアで行方不明になったムーサー・アル=サドル師について長時間にわたって言及したが、リビアを名指しにすることはなかった。
■ 新たな3つのスローガン
ナスルッラー書記長の行った演説に対する議会および政府の多数派勢力関係者の最初の評価は総じて肯定的なものであり、演説の内容が新内閣における行動に結びつくことに期待を示している。また同関係者らは、ヒズブッラー書記長が初めて言及した3つの新たなスローガンに注目した。「国家防衛戦略に関するあらゆる議論への開放的な姿勢、あらゆる懸案について協議・解決する準備、全勢力に対して国防への貢献を求めること」の3つである。また同筋は、ナスルッラー書記長の今回の演説が2006年以来初めて、国内の一方のみではなく両勢力の実質的な協力を訴えた演説であることに注目し、「国防戦略に関するナスルッラー書記長の新たなアプローチは国家の役割、とりわけレバノンの主権に対する国軍の役割を示すものである」と述べた。
また同筋は、「ナスルッラー書記長の演説は、捕虜交換が実現し、シャバア農場の問題でも前向きの見通しが出てくるという状況の中から生まれたものである」と述べ、ナスルッラー書記長が「策略や覇権や妨害のためでなく、手を取り合ってレバノンを建設するためにの挙国一致内閣」と強調したことを指摘した。
(後略)
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翻訳者:平川大地
記事ID:14370