レバノン国民対話会議開催、次回会合は11月5日

2008年09月17日付 Al-Nahar 紙
■ 大統領主宰による14者対話会議および縮小会合、拡大会合
■ 対話の列車が発進
■ 各方面の和解とハリーリー・ナスルッラー会談のため対話会議は50日間休憩
■ ビッリー国会議長は国防戦略に関する議論の優先に賛成
■ ヒズブッラーは対話会議への参加拡大を主張、5月7日衝突の実行を認める

2008年09月17日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 国民対話会議が昨日バアブダ宮殿[※大統領府]で開かれ、各派指導者がほぼ勢揃いした。[※治安上の理由で欠席した]ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長も「出席できればよかった」と語っている。ただ会議の今後をめぐっては、期待よりも疑問の方がまさっているのが現状だ。特に、次回会合の期日が約50日後の11月5日というアメリカ大統領選挙の直後に設定された理由について憶測が生まれている。観測筋は、その期間中に広く各派の和解を成立させる機会が得られるとしつつ、現時点において結論できることは、対話会議の成果は「会合が1回行われたこと」だけだとの見方を示している。

 成果はそれだけではあるが、閉会声明の内容に関する協議に1時間半を費やす前に出席者たちが5時間にわたって行った話し合いでは多くの議論が展開され、関係者によるとそれは各派の意見の多様さと対立のさまを物語るものであった。特に、国防戦略に関する議論を優先するか否かという点と、対話会議への参加者を増やすか否かという点をめぐっては激しい対立が見られた。この2つの問題をめぐっては、出席者は従来から対立する2勢力に分かれただけではなく、反対派勢力の間でも対立があった。このことは今後おそらく公式の場でも明らかになってゆくだろう。

■ バアブダ宮殿

 バアブダ宮殿で行われた対話会議初日の議論について、本紙は各方面に取材した。大統領府付のホダー・シャディード記者が得た情報によると、先ずナビーフ・ビッリー国会議長が、2006年にナジュマ広場[の国会議事堂]で開催された前回の対話会議の成果について詳細な報告を行った。

 次にフアード・アル=セニョーラ首相が「治安状況と外国の干渉への懸念」について発言した。

 その後、「変革と改革ブロック」のミシェル・アウン代表が内閣の現状と国軍の能力、内務省情報部の状況について述べた。

 「レバノン軍団」党のサミール・ジャアジャア執行部議長は、国防戦略に関する議論を優先すべきだと強調した。カターイブ党のアミーン・アル=ジュマイエル最高党首は国防戦略に関連して、「主権は常に不完全で、忠誠はレバノンに向けられていなかった」と述べた。

 「ムスタクバル」ブロックのサアド・アル=ハリーリー代表は「内戦」勃発の可能性に懸念を示し、「治安情勢と各地で相次ぐ緊張や事件への対応を優先させるべきだ」と述べた。

 ここでミシェル・スレイマーン大統領が発言し、ハリーリー氏の意見を支持するとともに「ポスターやスローガンなど、対立を引き起こすものを全て除去すること」が必要との見解を示し、各派の和解を進めるべきだと強調した。

 ヒズブッラーのナスルッラー書記長の代理として出席した「抵抗運動への忠誠ブロック」代表のムハンマド・ラアド議員は、「条件ではなくアドバイス」としつつ対話会議への参加者を増やすことを提案した。スレイマーン大統領はこの件について、次回会合の期日までに協議することを提案した。一方、ジャアジャア氏は参加の拡大に反対を表明した。

(後略)


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翻訳者:森晋太郎
記事ID:14740