放映料はたった40億トマーン!:政府・国営放送・サッカー協会の3者協議で妥結か
2008年10月06日付 E'temad-e Melli 紙
大統領がイラン国営放送ならびに体育庁関係者と行った協議の結果、サッカーの試合の放映料として3年間で300億トマーン〔約33億円〕の契約が提示されたことに対して、この取り決めを不服としていたイラン・サッカー協会は、現在〔単年で〕40億トマーン〔約4億4千万円〕の契約で調整を行っている。
イラン・サッカー協会は以前から、イランのサッカーチームがアジア・チャンピオンリーグへの出場権を失わぬようにするためにも、テレビ放映料の獲得を目指していた。今回、同協会が国営放送の提示した条件を飲んだのも、唯一このことが理由だったようだ。
自らの予算からサッカー協会に放映料を支払うつもりのないイラン国営放送は、マフムード・アフマディーネジャード大統領が別途予算を割り当てることを前向きに約束した結果、放映料の支払いを求めるサッカー協会の要請を受け入れる姿勢を示した。
国営放送は、3年間で300億トマーンという放映料契約に固執しているが、サッカー協会側は単年契約の締結を目指している。
〔中略〕
イラン・サッカー協会のキャッファーシヤーン会長はエッテマーデ・メッリー紙に対し、この金額について以下のように説明している。「我々は現在、イラン国営放送が提示した金額については合意している。もちろん3年間で300億トマーンという金額が彼らの意見だ。しかし我々としては、単年で100億トマーン〔約11億円〕という契約を準備しており、そのうちの60億トマーン〔約6億6千万円〕は〔‥‥〕スタジアムの看板広告によるもの、別の40億トマーン〔約4億4千万円〕は放映料に割り当てられている」。
イラン・サッカー協会は契約を取りまとめるにあたり、海外でのケースを参考にしている。〔中略〕しかしながら、海外のケースでの交わされた契約金と、イラン国営放送が示した金額との間には、かなりの開きがあることも事実だ。「ドバイ・スポーツ」放送、及び「アブダビ」放送と結んだ契約で、アラブ首長国連邦サッカー協会はサッカーの試合中継によって、5年間で9500万ドル〔約95億円〕の収入を得ている。
サウジアラビア・サッカー協会がART放送との契約で得た金額は、これを上回っている。サッカー中継から得られるサウジアラビア・サッカー協会の収入は、何と3年間で1億ドル〔約100億円〕にも上るのである。
こうしてテレビ放映料が支払われることで、アジア・チャンピオンリーグへのイラン・チーム出場をめぐってイラン・サッカーが抱えてきた問題は解決されたともいわれている。しかし、懸念材料はまだ残っている。イランがアジア・チャンピオンリーグで4チームの出場枠を獲得するには、アジア・サッカー連盟(AFC)の基準に合致したスタジアムを〔最低でも〕2つ保有する必要がある。しかし、昨年AFCの代表者らが基準をクリアするスタジアムとして認めたのは、アーザーディー・スタジアムのみなのだ。
サッカー・リーグ協会のアズィーズ・モハンマディー会長はイラン学生通信に対して、この点で問題は一切存在しないと語っている。「フーラードシャフル・スタジアムの関係者は、現在同スタジアムを〔基準に合致するよう〕準備しているところであり、このスタジアムの不備が解消されれば、セパーハーン・チームのメイン・スタジアムになるだろう。加えて、我々はタフティー・スタジアムとゴム・スタジアムもAFCに推薦している。もし、ペルセポリス、セパーハーン、エステグラール、サバー・バーテリーの4チームが〔アジア・チャンピオンリーグへの〕出場枠を獲得できれば、われわれとしてはまったく問題はない」。
なお、タフティー・スタジアムは「イスラーム諸国選手権」用のホスト・スタジアムとして準備が進められており、イラン・サッカー協会の自由になるとは考えづらい。また国内上位リーグの試合を開催するのにさえ、同スタジアムは適していないともいわれている。
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翻訳者:水谷陣也
記事ID:14913