ジュンブラートがエジプトを訪問、レバノンの諸問題について発言
2008年10月21日付 Al-Ahram 紙
■ ジュンブラート氏、昨日ムバーラク大統領による歓迎を受けた後:「エジプトはレバノンの主権と独立、党派間の団結を支援している」「シャバア農場の帰属確定とハリーリー元首相暗殺の調査結果をシリアに期待している」と発言
2008年10月21日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPアラブ世界面
【ムハンマド・アミーン・アル=ミスリー】
レバノンの社会主義進歩党党首ワリード・ジュンブラート氏は、レバノンの主権・独立・安定、そしてレバノン各派間の団結強化のために、ホスニー・ムバーラク大統領指揮下のエジプトが常々果たしてきた役割を賞賛した。
ジュンブラート氏は昨日、ヘリオポリスの共和国大統領官邸でムバーラク・エジプト大統領による歓迎を受けた後の記者会見で、「会談はレバノン国内および周辺地域全般における状況の検討を目的とした」と語り、エジプトは常にレバノンの安定と主権を支える先頭に立ってきたと指摘した。
また同氏は、「私は会談の中で、アズハル総長とエジプトのムフティーがベイルートのムハンマド・アル=アミーンモスク落成式のためにレバノンを訪問したこと、またその際ムフティーがシーア派指導者ムハンマド・フセイン・ファドルッラー氏の自宅を訪問し、イスラエルや一部の西洋諸国が仕掛けた分断や分裂を退けて、イスラームの団結を促進する必要性について会談する機会を持ったことに対し、喜びと感謝の意を表明した」と述べた。
今回のエジプト訪問の目的に関する質問に対しては、「カイロ訪問は初めてのことではないし、最後でもない」としながら、「昨年5月にエジプトを訪問するところだったのが、当時のベイルート情勢のために実行できなかった」と答えた。
またレバノン国民の問題を支援しているエジプトの役割については、「エジプトは常に効果的な役割を果たしてきた。我々は危機が訪れるたび、いつもエジプトを訪問する」と述べ、ハリーリー首相が暗殺された後のエジプト訪問の際にも、レバノンの主権と統一、安定を支援し、宗派や派閥の問題がレバノンの統一と安定に悪影響を及ばすことを望まないというエジプトの立場を確認できた、と指摘した。
シャバア農場の帰属問題を国連の調停に委ね、UNIFIL〔国連レバノン暫定軍〕の監理下に置くというエジプト提案に関する質問には、「シャバア農場を国際調停下に置くという案は、2006年夏のイスラエルによるレバノン攻撃の後、エジプトとレバノンが共同で出したものだ。シリアもシャバア農場はレバノン領だと口では言っているが、シリア政府がこの件をレバノン政府と確認し、公式文書にして国連に伝えることで、ようやく同農場のレバノンへの帰属が確定する。シャバア農場にレバノンの主権をどう確立するか、国際部隊を通じてなのか、それともこれら占領地からのイスラエルの撤退を通してなのかは、その後にやってくる問題だ」と答えた。
また、レバノン・シリア国境の策定問題に生じた進展についてジュンブラート氏は、「国境策定にはまだ時間が必要だ」と語り、レバノン大統領選出問題やレバノン・シリアの外交関係、ハリーリー元首相暗殺事件の国際特別法廷といった、レバノンの国内合意を得ている他の問題については徐々に解決への道を歩み始めている、と述べた。
(後略)
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翻訳者:平川大地
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