山野草(クリスマスローズ)をみるために6000ユーロ!-日本人ツアー、ボル県へ

2010年03月30日付 Radikal 紙
一般にクリスマスローズといわれ、トルコでは「ダナバウルタン(ヘレボレス)」や「カラジャ・オトゥ(ノロジカの薬草)」として知られている植物のために日本からトルコへ特別なツアーが企画されている。

ある日本人旅行者の団体が花を求めて週末アバンタを訪れた。彼らは一人6000ユーロを支払い、トルコへやってきたのだ。彼らには、たった一つの目的があった。それは、日本にはないクリスマスローズの、自然に自生している様子を見ることである。
週末、アバントでたくさんのクリスマスローズが開花した。日本クリスマスローズ協会の会員たちは、咲いている花一つ一つを見るたびに感嘆の声をあげた。マクロ撮影用カメラを持った会員らは、すぐさま花のもとに駆け寄った。メンバーの一人の大山ようこさんは、「この種のクリスマスローズが自生している様を見るためだけに来ました。日本では見られません。冬に咲く優美な花のひとつで、とても美しいです。私たちの目に訴えかけています。日本では、この花の人気が高まっています。2年に一度この花を見るために旅行をしています。クリスマスローズは、ギリシャやスロヴェニア、ハンガリーでも自生しています。今回の旅行では、このうちギリシャだけに行きました。そしてトルコに来ました。旅費として一人およそ6000ユーロ払いました」と語った。
一つのクリスマスローズの写真を何分も撮っていた富田ようこさんは幸せそうに、「園芸関係の仕事をしています。私たちの団体は、毎年この花を見るために出かけます。クリスマスローズが自生している様を見ることは、とても価値あることです」。鈴井(鈴木)みきこさんによると、どの花を見ても自然と喜びを感じるそうで、「このために来ました」と話した。
日本人にとって植物は神聖な要素なのだ。自然への情熱は彼らの生活のなかにも反映されている。日本には「花を生かす」という意味の「生け花」という名の芸術がある。生け花には45の異なる流派があり、およそ3000近い学校で教えられている。
ツアーガイドは、ドラク・ツーリズムのミュゲ・オンガンさんだ。彼女は、クリスマスローズをテーマにしたこのツアーは特別企画であることを説明した。「日本人の団体と前半の4日間はギリシャに行きました。それから3日間、トルコでの日程を過ごしました。イスタンブルのベルグラードの森ではクリスマスローズを探しました。今はアバントでクリスマスローズを追い求めています。この花には次のような話があります。クリスマスに若く貧しい一人の羊飼いが、イエス・キリストの夕食に招かれていましたが、贈り物として持っていくものが何もありませんでした。そこで、クリスマスのころに咲いていたこの花を集めました。それ以来、この花は「クリスマスローズ」として知られています」
ラテン名が「ヘレボレス」であるクリスマスローズは、キンポウゲ科の一種で、南、中央、東ヨーロッパからカフカスまで分布していて、現在20種が発見されている。トルコ国内では、「ダナバウルタン」「カラジャ・オトゥ」「ハルバク」といった名で知られている。「ダナバウルタン(子牛を叫ばせるもの)」といわれる理由は、家畜の外部寄生虫(ノミなど)の予防薬となるからだ。


癌への効果が研究されている

西黒海地方森林管理局の植物の専門家、メフメト・トクジャン氏によると、クリスマスローズは人や家畜の治療にも使われている。
「12月から7月までトルコ国内や東南ヨーロッパで、薄黄、白、緑、赤や紫といった色のクリスマスローズの花が咲きます。原産地はトルコと南東ヨーロッパです。とても刺激が強いので内服薬としては使えません。外用薬として、特に獣医が薬として、皮膚の外部寄生虫に対して使っています。痛がっている家畜の耳にナイフの先で穴を開け、傷の中にクリスマスローズの根のかけらを差し込みます。この植物は、ヨーロッパ各国の文化で長い間さまざまな潰瘍の治療薬として使われてきました。ベルリン大学のあるチームが、腫瘍を消すこの植物の特性について研究を発表しました。研究の目的は、癌や白血病、リンパ腫治療に効果があるというリスマスローズの特性を解明することでした。クリスマスローズのエッセンスは、健康な細胞を傷つけることなく、癌細胞に浸透し、この細胞を自ら消滅させる治療法に道を開いたとみなされています」


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翻訳者:丸山 礼
記事ID:18794