イラン核問題担当主席の中国訪問

2010年04月03日付 Al-Ahram 紙
■ジャリーリー氏、イランに対する制裁は有益だとは考え難い。

2010年04月03日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【北京・ワシントン・占領下エルサレム:諸通信社】

イランの核問題担当主席代表であるサイード・ジャリーリー氏は、「核開発プログラムを理由とする対イラン制裁は有益とは考えられないとの見解でイランと中国が一致した。」と発表した。

これは、バラク・オバマ米大統領が中国の国家主席と長時間の電話会談を行い、物議をかもす核開発活動を頑なに続けるイランには制裁の必要があると説得していた時のことである。

北京で中国外相と会談を行った後、ジャリーリー氏は記者会見で「この協議を通じ我々は、制裁という武器が有効性を失ったと確信した。」と述べ、イランに対する追加制裁の決定に伴う問題において、中国の立場はイランと一致するということを示した。
またジャリーリー氏は、「誤った手段を変え、イランに対する脅しをやめる」よう西側諸国に呼びかけ、核問題に関してイランと交渉中の六カ国(中国、アメリカ、ロシア、フランス、イギリス、ドイツ)が協議を行いつつ圧力をかけるというやり方を続けた場合、この交渉は成功し得ないとの考えを示した。

一方、昨日の中国外務省声明によれば、楊潔篪外務大臣は各方面に柔軟な対応を呼びかけた。中国外相は、イランの核問題を対話と交渉によって解決できる状況を作り出すため、更なる外交努力と柔軟な姿勢を関係各国に促していると述べた。また、この数週間西側諸国が圧力を強める中、中国は六カ国の中で唯一、イラン政府に国際的制裁を課すことを躊躇している国家であるとした。アメリカは先週水曜、中国が、イランへの追加制裁に向けた国連の本格的交渉に参加することを受け入れたと断言したが、中国政府はこの情報を確認していないという。その間、ホワイトハウスはバラク・オバマ大統領が中国の胡錦濤国家主席と1時間に及ぶ電話会談を行ったと発表した。

ホワイトハウスの声明によるとオバマ大統領は中国の国家主席に対し、国際的義務をイランに尊重させるため協力するよう求めた。また、アメリカCBS放送とのインタビューでオバマ大統領は、イラン核開発プログラムに関し、「一丸となった国際社会」と協力することで合衆国はイランに対する圧力を継続すると強調した。さらにオバマ大統領は、イラン政府が核兵器獲得を企てている証拠が集まっていると述べ、実際に保有した場合、中東地域の不安定化と軍備拡張競争をもたらすと指摘した。自分が大統領の地位に就いて以来、イランは国際社会からますます孤立するようになったとの考えも示した。

他方、イスラエルのマアリヴ、ハアレツ両紙は昨日、イスラエル軍諜報機関長のアモス・ヤドリン少佐が最近秘密裏に北京を訪問したと報じた。イスラエル放送によるとヤドリン少佐は中国政府高官を訪問中、イランの核開発プログラムの進捗状況に関する機密情報を提示したという。またハアレツ紙によると、軍事計画機関長であるアミール・イーシール少佐も来週同じ目的で中国へ向かう。


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翻訳者:秋山俊介(十倉桐子)
記事ID:18833