マラドーナ、イラン代表監督に就任!?:多くの専門家が「マラドーナ監督」に否定的
2010年12月07日付 Jam-e Jam 紙
【スポーツ部:レザー・プールアーリー/マジード・アッバースゴリー】「ディエゴ・マラドーナはイラン・ナショナルチームの監督になるのか?」 この質問に対し、イランのアフマディーネジャード大統領は肯定的な反応を見せた。大統領はただ頷き、笑みを浮かべただけだったが、しかし「マラドーナ・イラン誕生」のタイトルが昨日の各スポーツ紙の第一面を飾るのに、それで十分だった。
大統領の笑みは、〔広州アジア大会で〕メダルを獲得したイラン人スポーツ選手らを讃える式典の終わりに、大統領を囲んだ報道陣に対して与えられたものだ。こうした中、イラン・スポーツ界の「ナンバーワン」であるアリー・サイードルー氏〔※イラン体育庁長官〕や、サッカー協会ナンバーワンのアリー・キャッファーシヤーン氏〔※イラン・サッカー協会会長〕の見解が、こうした大統領の笑みに沿うものとなったのも、当然だろう。
大統領がマラドーナのイラン代表監督就任の可能性について示唆したことに対し、昨日サイードルー氏は、国際卓球アカデミーの開会式の傍らで、「大統領は国の行政のトップにいる人物だ。彼が何か言ったら、他の人間は何も言えない」と述べた。
キャッファーシヤーン氏も、サイードルー氏より多少一般的な言い方ではあったものの、アルゼンチンのビッグ・スターをイランに呼ぶことに関して、こう話している。
「マラドーナはイランという国、そして我が国の大統領に対して好意を抱いており、そうしたことからイランを訪問したいと考えている。とはいえ、彼にナショナルチーム監督のオファーはまだしていない。もちろん、マラドーナは過去に、イラン訪問に興味があると話していた。しかしその後、アルゼンチンのナショナルチーム監督に就任したために、イランには来られなくなったのだ。だが、このたび改めて、イランを訪問したいと表明してくれたのだ」。
マラドーナが、彼を史上最も卓越したサッカー選手にしたさまざまな「特質」をもった人物であることは論を待たない。しかしだからといって、彼は実際のところイラン・サッカーの特効薬となれるのだろうか?本紙の取材で集めた、この疑問に対するサッカー関係者らの意見はほぼ一致して、とても短いものであった。「No!」
イランのサッカー専門家として傑出した存在であるハミードレザー・サドル氏は、ジャーメ・ジャム紙にこう語っている。
「イラン・サッカーのナショナルチーム監督にマラドーナを据えることについては、2つの側面から検討できる。1つは技術面、もう1つは社会的・文化的側面だ。技術面については、これまでのところマラドーナは及第点を取ったとは言い難い。というのも、彼は2010年のワールドカップで、どのポジションにも世界を代表する選手が2人いるほど、アルゼンチン史上最高のチームの1つを指揮したにもかかわらず、ドイツ戦で全アルゼンチン国民にとって前代未聞の〔ぶざまな〕姿でコテンパンにされた。多くのサッカーの専門家は、チームの戦術や選手の配置でマラドーナがミスを犯したために起きた敗北だ、と指摘している」。
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翻訳者:阿部文美
記事ID:20974