ヘジャーブ着用のイラン女子サッカーチーム、試合出場を妨害される

2011年06月06日付 Jam-e Jam 紙
 2012年ロンドンオリンピックへの出場という夢をかけて2次予選へと歩を進めていたイラン女子サッカーチームが、ヨルダン戦においてイスラーム服を着用したという理由で、この試合の開催責任者の妨害に遭い、試合から外されるという出来事が起きた。

 我が国の女子チームは、ロンドンオリンピックの一次予選では完璧なイスラーム服を着用してライバルチームと試合を行っていただけに、今回の妨害は予期せぬ出来事であった。〔‥‥〕今回、イラン・ヨルダン戦を開催したバーレーン人責任者は、我が国の女子サッカーチームの服装が規則に反していると見なし、イラン・チームの団長と監督の抗議に対しては「もしこれ以前にこの服装でプレイしていたのであれば、それはその試合の責任者たちが間違っていたのだ!」と述べた。

 この出来事を受け、アリー・キャッファーシアーン・イランサッカー協会会長は、イスラーム服を着用した女子チームがオリンピック予選への出場を禁じられた理由に関しては何も知らないとし、次のように述べた。

FIFAの規則では、いかなる国もイスラーム服を着用してプレイする権利はないと定められているとしても、我々はそれ以前にゼップ・ブラッター国際サッカー連盟会長と、イスラーム服を着用したイラン女子の出場に関して必要な協議を行ってきた。競技を開催するバーレーン人責任者が、なぜ今回の試合で女子の出場を妨害したのか、まったく不可解だ。

 こうした意見を受けて、サッカー協会の女子担当副会長は、サッカー協会は必ずやFIFAに対して、試合の開催責任者らを訴えることになるだろうと指摘し、次のように語った。

サイードルー〔体育庁長官〕とキャッファーシアーン〔サッカー協会会長〕は、この問題を簡単に素通りするべきではない。我々は今回の出来事で、心理的・精神的な被害も、金銭的な被害も受けた。オリンピックという舞台は失ってしまったが、アジアでの競技はまだあるのだから、我が国の女子が国際試合に出場するための状況がこれまで以上に整うよう、努力をしなくてはならない。

 イラン女子代表チームの選手たちは、イスラーム服を着用して試合に出場することが禁じられると、同じ服装のままフィールドへ出てイラン・イスラーム共和国国歌を斉唱、観客への挨拶としてスタジアムを一周し、最後に我が国の聖なる国旗に跪拝したのち、目に涙を浮かべてフィールドを去っていった。


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翻訳者:山崎さくら
記事ID:22880