【科学部:バハーレ:サファヴィー】毎年神聖なるラマダーン(断食)月が近づくと、〔いつラマダーンが始まるのかについての〕あらゆる疑問や不安を取り除くために、ラマダーン月の新月を観測するための一団が国内各地に派遣され、過誤の可能性をゼロにすることが目指される。
新月は太陽が沈む頃に観測されねばならない。つまり、太陽が沈むまさに数時間前から、新月の観測作業は始まるのである。今年も明日シャアバーン月29日〔7月31日〕に150のグループがラマダーン月の新月を確認するために、国内の様々な地点へ派遣される予定だが、最高指導者新月確認本部の関係者によると、今年の新月の観測は大気の条件によって困難が伴う可能性があるという。
アリーレザー・ブージュメフラーニー氏は、日曜日〔7月31日〕に新月を見ることは困難であることを認めた上で、次のように強調した。
特別な条件の下でなら、ラマザーン月の新月を見ることもできるだろう。よって、新月を確認するのは絶対に不可能だとは言えない。実際のところ、今年の新月を観測することは困難だと言わざるを得ないが、しかし不可能ではない。今年の新月は観測可能であることを、我々は確信している。
ゴム州新月確認本部の関係者がメフル通信とのインタビューの中で、1432年〔西暦2011年〕のラマザーン月の新月を「危機的な新月」と呼んだのも、今年の新月を観測することは困難だからである。この関係者は次のように強調している。「経験を積んだ観測者のみ、特別な機材と巧妙な観測技術を用いて、今年の新月を日没前、太陽が空にある時間帯に観測することができるだろう」。
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月の太陽からの見た目の距離は12.4度であることから、熟達した新月観測者なら、巧妙な観測技術と口径8インチ以上(20センチ以上)の望遠鏡、ないしは大型の双眼鏡によって、太陽が空にある日没前の時間帯に、今年の新月を確認できるかもしれない。だからこそ、今年の新月は「危機的」と呼ばれているわけだ。つまり、〔普通のやり方では〕新月を観測することは困難であり、肉眼ではほぼ不可能だということだ。
乾燥した天候が続いていることで、〔イランの周辺〕地域では塵や埃が生じている。このこともまた、新月の観測を難しくしている。今年の新月は、大気に埃や湿気が少ない高地でなら、観測することができるのではないかと予想されている。