混乱状態の経済
2012年01月11日付 Mardomsalari 紙
著:メフディー・アッバースィー
現段階における国の経済は、単に通常の状態を逸しているばかりか、すでに「危機」をそこに看取することができるほどの状況にある。
ドルをはじめとする外貨の無秩序な状況は、もはや政府関係者らもその統制について沈黙し、〔もっぱら〕世論の目を〔この問題から〕逸らさせることを自らの仕事とみなすまでに、危機的な状況に陥っている。昨今のこうした状況に対する説明責任を果たすべき中央銀行総裁はここ数日、国会の非公開会議や「政府・民間部門対話評議会」など、あらかじめ開催が決まっていた公式の会議にすら姿を現そうとせず、同氏辞任の情報がメディア関係者らの間で囁かれているほどだ。〔‥‥〕
政府の報道官役を務めているとされる経済相も〔アフマディーネジャード大統領とともに〕ラテンアメリカ諸国を訪問中で、現下の国の混乱した経済情勢は依然として危機的状況下にある。もちろん、〔政府側の無策・無反応とは対称的に〕多くの専門家たちは経済情勢に対して、様々な反応を示していることにも注目して頂きたい。
国会調査センターのアフマド・タヴァッコリー所長は、目下の状況を危機的だと明言している。また、イラン・中国商工会議所のアサドッラー・アスギャル=オウラーディー会頭も、現在の状況が続くことは極めて危険だとの見方を示している。同氏は、現在の〔ドル高・リヤール安の〕ドル相場での商品の輸入を想定する限り、今後6ヵ月間で我が国は多くの品物でモノ不足に陥り、不足した物資をまかなうために密輸に頼らざるを得なくなるのではないかとすら予想しているのだ。
経済情勢を深刻に捉えなければならない状況にあって、政府関係者らが沈黙を続けている様を、われわれは目の当たりにしている。事態の改善のために政府が何を決断しているのか、不透明なままだ。こうした経済情勢に加え、政府による予算法案の提出が再び遅れており、イランの今後の経済情勢に対する懸念はさらに高まっている。法律によれば、アーザル月15日〔12月6日〕までに、来年度の予算法案は審議のために国会に提出されねばならなかったが、にもかかわらず、デイ月に入って21日が経過した今日〔=1月11日〕になっても、いまだ予算法案がどうなったのか、音沙汰がないのである。
こうしたことから、目下の経済情勢の混乱は国際社会からの制裁による圧力だけでなく、政府の経済政策に影響されていると指摘することができるのである。〔‥‥〕
アフマディーネジャード政権は残りの任期中、仕事に優先順位を付ける際、もっと細心の注意を払って欲しいものだ。
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翻訳者:8409088
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