ナショナルチーム監督「我が国のスポーツのためにも、世界が一致してこの破滅的な出来事を阻止しなければならない」
【スポーツ部:オミード・トゥフィーギー】想像しただけでもイランのスポーツ界全体を震撼させるようなことが起きた。レスリングがオリンピックから外れるというニュースが、昨日、国際オリンピック委員会から伝えられたのである。つまり、イランのオリンピック競技でのメダル獲得の6割以上を占める競技が外されるというのだ!
そしてこれは、簡単に見過ごすことのできるようなささいなニュースではない。このニュースが伝えられるや否や、不安のどよめきとともに、スポーツ外交活発化の必要性が、イランのスポーツ関係者全員によって強調されるようになったのも、まさにそのためなのである。
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■ モハンマディー氏「破滅的な打撃が加えられるのをわれわれは阻止しなければならない」
レスリング・フリースタイルのナショナルチームの監督であるゴラームレザー・モハンマディー氏は、この問題に関してジャーメ・ジャム紙に「このような破滅的なことが最終決定されるのを許してはならない、というのが私の考えである。なぜなら、レスリングはまさにイランのお家芸であり、レスリングが〔オリンピック競技から〕なくなることは、イランのスポーツ界に深刻な打撃を与えることを意味するからだ」と述べた。
彼はさらに、次のように付け加えた。
レスリングはオリンピックのなかでも魅力的な競技のひとつであると、私は信じている。アメリカやロシア、中国、日本、韓国、トルコ、さらには独立して日の浅い一部の国々〔※コーカサス・中央アジア諸国を指す〕などのレスリング強豪国は、レスリングによるオリンピック・メダルの獲得に特別の関心を寄せている。そうである以上、そう簡単にレスリングを排除することはできないはずだ。レスリングを五輪競技に戻すためには、この問題が国内の見解の相違を超えた、国民的重要性を有するものであることにかんがみ、イランのスポーツ界の責任者たちはできるだけ早く手を打つ必要がある。そして国際的な合意を築き上げることで、国際レスリング連盟(FILA)とともに、この決定が最終化されるのを阻止すべきである。
ナショナルチームの監督は、FILAがレスリングのルールを相次いで変更したことがこのような運命をレスリングに強いたのではないかとの質問に対し、「まったくその通りだ。ここ何年かで、FILAは独りよがりなルールを作ることで、フリー・スタイルからも、グレコローマン・スタイルからも優美さを奪ってきた。今や、FILAの役員たちは加盟各国と協力してこの危機を回避し、相手を押すだけの単純なものではなく、技巧をこらしたスポーツとしてのレスリングを、できるだけ早くもとの状況に戻すべきだ」と述べた。