国際アジア・チーター保護プロジェクトの責任者は、「トゥーラーン保護地区で発見されたチーターの死体は、若いメスのチーターのものだった」と述べた。
フーマン・ジューカール氏は、トゥーラーンでチーターの死体が発見されたとの報道を認めた上で、「地元住民がこの地域の環境保護官に、同地域でチーターの死体を発見したと通報してきた。環境保護官とセムナーン環境保護局の専門家が現場に向かい、調査のために死体を環境保護局に移した」と付け加えた。
同氏はさらに、次のように続けた。
死体があった場所は保護地区内で、境界線から14キロのところであった。最初の調査で、このチーターが死んでからおよそ25日が経過していることが判明した。というのも、死体はまだ乾燥していなかったが、すでに腐敗していたためである。また、この死体はメスのチーターであることも分かった。歯の摩耗が少なく、その色もまだ白かったことから、このチーターの年齢は1歳半以下であったと推定された。
同氏はまた、
このチーターの喉の下のあたりに、他の動物に噛まれたことによるものと思われる穴がいくつか発見された。また頭蓋骨には骨折が見られた。死体に関する最初の報告書からは、イヌの群による襲撃が示されているが、しかし死体にある数々の証拠から、オオカミやヒョウのような、その他の野生動物がこのチーターを襲った疑いもある。
と付け加えた。
アジア・チーター保護プロジェクトの責任者は、「この出来事で重要なのは、もしこうした問題が再び繰り返されるようなことになれば、トゥーラーンの野生動物、特にチーターにとって極めて重大な問題にわれわれは直面するだろう、ということだ」と強調した。
ジューカール氏は、トゥーラーン地区の保護率を上げるための今後の対策について明らかにし、「私たちはこの問題について、環境庁の自然環境担当次長と話し合いを行い、トゥーラーン地区には安全地帯が必要であると申し上げた。次長もそれに同意し、トゥーラーン国立公園内に設けられた8ヵ所の囲いについて、何らかの対策を講じることを約束してくれた」と述べた。
同氏はまた、「他方、セムナーン環境保護局の局長も、この問題の解決に対する畜産業者の協力と参加を得るべく、サングサリー畜産協同組合との会合の席を設けた」と加えた。
アジアチーター保護プロジェクトの責任者は、「昨年、トゥーラーンで一頭のメス・チーターが殺されていた。私たちはそこで、畜産業者のためのワークショップを開催し、チーターの保護は彼らの〔社会的〕責任の一部でもあることを説明して、〔チーターによる家畜への〕襲撃を減らす方法を、技術的な観点から彼らに指導することにした。しかし〔遊牧民である?〕畜産業者たちが場所を移動してしまったために、こうしたワークショップを開催することができなかった」と指摘した。
同氏は、「畜産業が整備されれば、家畜に関してトゥーラーン地区が抱える問題の多くは解決されると思っている」と続けた。
トゥーラーン保護エリアは、セムナーン州シャーフルード市の近くにある。同エリアは、国立公園、生物圏保存地域、およびトゥーラーン保護地区からなり、約150万ヘクタールの広さを誇る、環境庁が管轄する最大かつ最重要エリアの一つである。このエリアは、アジア・チーターとイラン・ノロバという、絶滅に瀕した二種類の重要哺乳類動物の生息地となっている。