アリー・ジャンナティー文化イスラーム指導相は、とある朝食会に出席し、その席上とその終了後、同省に対して圧力団体が及ぼしている影響、ならびにインターネットへのフィルタリングや衛星放送、妨害電波等の問題、および同省がヘジャーブをめぐって行っている施策について、興味深い発言を行った。
イラン学生通信の報道によると、アリー・ジャンナティー氏はホルダード月18日〔6月8日〕日曜日に行われたイラン商工会議所のワーキング・ブレックファーストに出席し、同会議所の代表団のメンバーらの話を聞いた後、文化という領域にかけられている圧力を減らすことが必要だと強調して、次のように述べた。
文化という領域が活性化し、創造性を発揮するには、開かれた空間が必要だ。私はこのことにまったく同感であり、この点であなた方の助力を歓迎する。何度も言ってきたことだが、文化を閉じられた空間、温室で成長させることはできない。開かれた空間の中で、さまざまな意見や考え方を交換させ、ぶつけ合わせることで、文化を成長させなければならない。このことはある程度実現されてきたが、しかし望ましい状況とは言えない。われわれにはいまだ、独自の見解をもった反対意見や異なった意見を聴くだけの我慢がない。こうした我慢を、自分たちの中に作り出していかねばならない。
同氏はさらに、
コーランの教えによれば、私たちは論理に基づいて意見を言わねばならない。大統領が何か一言言うと、この一言に我慢ができない人たちがいる。そういう人たちは、「
あなたはイギリスで勉強してきたのか、それとも〔イランにおけるシーア派神学校の中心地である〕ゴムでか」などと言ったりする。国が発展するよう、私たちが気楽に持論を述べることのできるような空間でなければならない。過去の栄光だけでなく、今日の自分たちの姿に誇りが持てるよう、仕事をする必要がある。他者の人格への攻撃でないならば、著書や出版物で、書きたいことなら何でも書ける、そういった空間を作る必要があるのだ。
文化イスラーム指導相は空間を開放的なものにする必要性を強調した上で、ビデオやファックスといった機器すら問題視されていた時代があったことに言及した。同氏は文化やその他の領域では、開放化が必要だと指摘した上で、
私たちはソーシャル・ネットワーキングや仮想空間について、〔無料通話ソフトの〕Viberや〔メッセージングソフトの〕WhatsAppなどをフィルタリングすべきか否か、いまだ分からずに〔論争を続けて〕いる。かつてはビデオを問題視していたときもあったが、それも解決した。ファックスすら、それをめぐって議論があった。
と語った。
同氏はさらに、次のように続けた。
〔‥‥〕私たちはどうやら、どんな新奇な現象にも最初は抵抗し、それからどうしようもなくなって、それを受け入れる、というのが習い性になっているようだ。私たちはいつも、世界から20年距離を取りたがっている。最低でも、私たちは世界とともに動かねばならない。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。