ジャンナティー文化イスラーム指導相「世界とともに動く必要がある」(2)

2014年06月09日付 Mardomsalari 紙
 同氏はまた、次のように述べた。

私たちは今、どれだけの衛星放送局を利用しているだろうか。シーア派信徒は世界各地で、それぞれ衛星放送を借りて、自分たちの意見を伝えている。かつては、私たちには一冊の本もサウジアラビアに送ることはできなかった。今や、衛星放送やインターネットを通じて、自分たちの意見を〔世界中に〕伝えることができる。ところが私たちは、その可能性を〔十二分に〕活用する代わりに、他者もこれを〔私たちに向けて〕使わないようにと、それを制限しているのである。

 同氏は次のように付け加えた。

〔‥‥〕私たちは、どうしたらこうした可能性を最大限に活用することができるのかを考える代わりに、他者がそれを利用することができないようにするためには、どうしたらそれに対して妨害電波をかけることができるのかばかりを考えている。こうした意識を変える必要がある。こうした発想では、文化は成長しない。

 ジャンナティー氏はまた、「フィルタリング問題については、あまり議論しようとは思わない〔‥‥〕」と述べた上で、次のように付け加えた。

私たちは法律を守りつつ、この分野での治安および倫理の面での問題に留意して、決定を下すべく努力している。世界のどこでも同じような問題はある。しかし必要のない場合は、こうした制限は取り払われるべきだ。特に、ソーシャルネットワーキング、例えば5.4億人もの会員を誇るソーシャル・ネットワーキングではそうだ。誰かがこのサイトで違反を犯したからといって、それにフィルタリングをかける理由にはならない。それはちょうど、ある通りで一部の者が違反を犯したからといって、それに対処するために、通りそのものを封鎖してしまうのに似ている。

〔‥‥〕

 ホルダード月18日日曜日に行われたイラン商工会議所のワーキング・ブレックファースト終了後、アリー・ジャンナティー文化イスラーム指導相は記者団との質疑応答に応じ、マフムード・ドウラトアバディーの著作『大佐』の出版状況や、演劇『卵の熱いタンゴ』の上演が禁止になった問題、文化イスラーム指導省に対する圧力団体の影響、ヘジャーブ問題に関する同省の対策その他について、質問に答えた。

 同氏はサーデグ・ヘダーヤトの作品やドウラトアバディーの『大佐』については、出版許可は下りていないと述べ、また演劇『卵の熱いタンゴ』の上演を差し止めたのは、司法権であったと述べた。

 アリー・ジャンナティー氏はマフムード・ドウラトアバディーの小説『大佐』の出版はどの段階にまで来ているのかとの質問に対し、次のように述べた。

この著作はこれまでのところ、出版許可を得てはいない。残念なことに、私は昨日、ある出版社がサーデグ・ヘダーヤトの作品やマフムード・ドウラトアバディーの『大佐』の出版許可が下りたと書き記しているのを目にしたが、しかしこうした事実はまったくない。

 同氏はまた、演劇『卵の熱いタンゴ』の上演が差し止められた理由について、「司法権の一部は、自分たちが法的に決定を下せば、会場を封鎖して上演を差し止めることができる、これは自分たちの権限の一部だ、と考えているのだ」と述べ、さらに

この劇は上演許可が下りていたし、しばらくの間実際に上演されていた。ところが、取り除くべき問題を抱えていた。私たちも、この問題を取り除くよう、彼らに言っていた。この劇には取り除くことの可能なささいな問題があった。私たちはこの点で、必要な注意を与えていたが、しかしそうした中、突如上演の差し止めに直面してしまった。

 と付け加えた。

〔‥‥〕

 同氏は、文化イスラーム指導省は同省の外部の人物ないしグループから圧力を受けているのか、またそのことが『大佐』といった著書の出版や『卵の熱いタンゴ』といった劇の上演に影を落としているのか、とのイラン学生通信記者の質問には、ただ笑みを浮かべて、「君は私の答えを知っているじゃないか。何で質問するんだ?」と答えた。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。


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翻訳者:白糸台国際問題研究所
記事ID:34319