イラクでダーイシュに対抗するための人民義勇軍、結成へ(3)
2014年06月16日付 Mardomsalari 紙
ダーイシュにいるサッダーム体制時代の軍司令官たち
サッダーム・フセイン体制時代の軍の元准将で、アル=ガズラーニー基地の司令官だったハーシム・アル=ジャマースが、テロ組織「ダーイシュ」に属する武装組織とともに、サーマッラーに向けて進軍を開始している。
また、かつてのサッダーム・フセイン体制の将校の一人であり、「アッ・ラーフィディーン」と呼ばれる勲章をサッダーム・フセインの手から直々に授けられたこともあるアズハル・アル=ウバイディー元少将が、今やニーナワー県知事となっている。
こうした中、イラク安保問題のある専門家は、ダーイシュという組織には実際、かつてのイラク軍の過激な軍人たちや、サッダーム体制の治安組織の関係者らが入り込んでいると指摘している。
匿名のこの情報筋が続けて述べたところによると、イラク軍の元准将でモスル出身のハーシム・アル=ジャマースは当初、テロ組織によってニーナワー県知事に任命されたが、彼はその後ダーイシュの一群とともに、サーマッラーに向かったという。この人物はさらに、アズハル・アル=ウバイディーもかつてのイラク共和国親衛隊の上級将校の一人であったと指摘している。
「イラーキー・アル=マサッラ」通信がこの情報筋の話としてバグダードから伝えたところによると、テロ組織ダーイシュは最近になって「軍事評議会」を組織し、志願兵を募るための本部を設立、モスルの若者たちの一群がダーイシュに合流しているという。
軍事専門家たちが指摘するところでは、ダーイシュはモスルでの活動で、ファッルージャで用いられていた戦術を活用しているという。
バアス党体制時代の軍関係者たちが〔ダーイシュに〕入り込んでいるという事実と並行して、サウジアラビアはテロリストらがイラク国内に流入できるよう、同国との国境を開放している。
情報筋が明らかにしたところでは、サラーフッディーン県にあるダーイシュ配下のテロリストのアジトで、「半島の盾」部隊が使用している兵器が見つかったという。「半島の盾」部隊とは、サウジアラビアやカタール、バーレーンなどペルシア湾岸諸国の軍部隊から構成された混成部隊のことであり、外国からの侵略に対抗する目的で組織されたものである。
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ダーイシュと同調する者たち、そしてイラク分裂の懸念
イラクのサッダーム・フセイン政権の崩壊以降、同国を構成する3派間の分裂は年々、深まっている。ダーイシュというイスラーム主義組織によるイラク北西部の一部の諸都市への侵攻と占領は、同国の崩壊の過程を著しく速めている。イラクがスンナ派、シーア派、クルドの3つに事実上分断される可能性は、次第に現実的になってきている。
ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネは、ここ最近のイラク情勢に関する分析記事の中で、イラクの諸都市への攻撃に加わっているのは、「イラクとシャームのイスラーム国」(ダーイシュ)の戦闘員だけではないと指摘している。それによると、イラク・スンナ派の重要な3つのグループが初めて連合を実現させているという。同紙によれば、アンバール県のスンナ派部族の指導者たちと、モスルやティクリート出身のバアス党関係者たちが、ダーイシュの民兵らとともに、今回の蜂起とイラク諸都市への侵攻に参加しているという。
ここ最近、世界の各メディアで伝えられているイラクの画像には、ダーイシュの黒い旗だけが見られるが、しかし先の3つのスンナ派グループが連合したがために、ダーイシュの民兵らは抵抗を受けることなく、街から街へと進軍を続けることができるのである。
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翻訳者:8410081
記事ID:34469