ダーイシュ、預言者ユーヌス廟を破壊

2014年07月03日付 Jam-e Jam 紙
【ジャーメ・ジャム・オンライン】テロ組織ダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)のメンバーが、モスル市内にあるユーヌス〔※〕廟を襲撃し、神の預言者の墓を暴くという挙に出た。

※訳注:ユーヌスはコーランに登場する預言者の1人で、旧約聖書のヨナにあたる

 イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、あるイラクの治安筋はニュースサイト「アル=マサッラ」に対して、「ダーイシュのメンバーはこれに先立ち、ユーヌスとダニエルの廟を攻撃して、この2つの宮殿を閉鎖、これらの施設で働く職員たち全員を略取した」と語っている。

 このニュースサイトはさらに、「テロ組織ダーイシュは水曜日の午後、サーマッラーにある「二人のイマーム・アスキャリー」〔※第10代イマーム・ハーディーと第11代イマーム・アスキャリーのこと〕の聖廟を迫撃砲によって攻撃した」と報じている。サーマッラーにいるイラク治安筋はこのように述べた上で、さらに「2発の砲弾が水曜日に聖廟に向けて発射された。しかしこの砲弾は、聖廟の近くに着弾した」と述べている。


モスルでテロ組織同士が対立

 ニュースサイト「アル=マサッラ」がイラクのある治安筋の話として伝えたところによると、モスルでダーイシュと「イスラーム軍」と呼ばれる組織のメンバーらの間で、衝突が発生したとのことである。衝突が発生したのは、イスラーム軍がダーイシュの指導者アブー・バクル・アル=バグダーディーに忠誠を誓おうとしなかったことが発端である。

 この通信社はさらに、次のように加えている。

バアス党支持者と武装したダーイシュのメンバーらの間の対立が、モスル市内で激しくなっている。ダーイシュのテロリストたちは、サッダーム・フセインの元副官イッザト・イブラーヒーム・アル=ダウリーの写真を市内至るところで切り刻んでいる。また、イラクの武装組織の多くは、何千人ものイラク人を殺害したとの非難を受けている、ダーイシュのテロリストたち首領アブー・バクル・アル=バグダーディーへの忠誠を控えている。彼はイスラーム教徒のカリフ〔※預言者ムハンマドに代わってイスラーム共同体を率いる代理人〕を名乗っている。


モスルでキリスト教徒1家5人が処刑

 ダーイシュのテロリストたちは、改悛・改宗の拒否を理由に、モスル市内に住むキリスト教徒1家5人を殺害した。

 ダーイシュによってモスルが占拠された後、同市に住むキリスト教徒たちは大変な危険に直面しており、彼らは様々な形での脅威にさらされている。ダーイシュのメンバーらは数日前にも、モスル市内に住む4人のキリスト教徒の女性を処刑している。〔‥‥〕

 アル・ジャズィーラ放送局がニュースとして伝えたところによると、イラク・クルディスタン自治区の指導者を務めるマスウード・バールザーニーはクルディスタン議会に対し、この地域で住民投票を実施するための法律を可決するよう要請した。

 バールザーニーは、「ペシュメルガ軍は決して、モスルでの事件後に進駐した、キルクークをはじめとする〔クルド自治政府とイラク政府との間の〕係争地から撤退するようなことはない」と強調している。

 同氏は自身の発言で、自国の運命を自ら決めることへの国際的な支持は得られていると主張しているが、しかしイラク・クルディスタンの独立を支持しているのは、シオニズム体制〔=イスラエル〕のみとなっている。

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翻訳者:8413108
記事ID:34703