イラン人女性数学者、世界最高の数学賞を受賞

2014年08月14日付 Mardomsalari 紙

 マルヤム・ミールザーハーニー博士(37歳、スタンフォード大学教授)が、女性数学者として世界で初めて、フィールズ賞を獲得した。フィールズ賞は数学分野での最高の科学賞であり、「数学のノーベル賞」と呼ばれている。

 イラン学生通信の報道によると、ミールザーハーニー教授は幾何学やエルゴード理論の分野での研究でつとに有名で、アルトゥル・アビラ氏、マンジュル・バルガバ氏、マルティン・ハイラー氏らとともに、韓国ソウルで開かれている国際数学大会にて、2014年のフィールズ賞を本日〔8月13日〕受賞した。

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 フィールズ賞は1936年以降、4年に一度、もっとも優秀な若手(40歳以下)数学者に授与されるもので、ミールザーハーニーさんは同賞を初めて受賞する女性となる。ミールザーハーニー博士は少し前にも、2014年のクレイ数学研究所賞を受賞している。また彼女は2005年にも、アメリカの雑誌「ポピュラー・サイエンス」によって、同年の北米における「選ばれし若き頭脳10人」の一人に選ばれたこともある。

 彼女はこれまで数多くの科学賞を受賞しており、その中には2013年アメリカ数学会のスティール賞も含まれる。

 テヘラン生まれのミールザーハーニーさんは高校生時代の1373年〔1994/95年〕と1374年〔1995/96年〕に、国内の数学オリンピックで金賞を獲得し、香港とカナダで開かれた国際数学オリンピックに派遣された。1995年にカナダで開かれたオリンピックでは、金賞を獲得しただけでなく、世界の学生の中で最高得点をたたき出している。彼女はテヘランのファルザーネガーン高校で中等教育を終えた後、数学分野での学士課程をシャリーフ工科大学で修了した。

 ミールザーハーニーさんは学士課程を修了した後、教育を続けるために米ハーバード大学に行った。彼女は1999年、プリンストン大学で研究・教育職に就いていた際、ある数学の難問を解く方法を発見している。

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 この数学の若きエリートは、1376年〔1997/98年〕に起きた、シャリーフ工科大学に通う数学エリートたちを乗せたバスが谷に転落するという、悲しむべき事故の生存者の一人でもある。この事故は、第22回大学生数学コンペティションに参加していた数学科の学生たちを乗せて、アフヴァーズからテヘランに向かっていたバスが谷に転落したもので、これにより、学問上の成長・開花の絶頂期にいたシャリーフ工科大学の数学エリート学生6名が、信じがたいことに命を落とした。彼らのほとんどは、イラン数学オリンピックおよび国際数学オリンピックの選抜メンバーだった。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。


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翻訳者:イーイコルズ・M・シースクエアド
記事ID:35131