【社会部:メフディー・アーイーニー】専門家らが初めて、アジア・チーターの直面する危機的な状況に対して警告を発し、国際的な機関もこの問題の解決に向けてイニシアティブを取るようになってから、少なくとも13年が経つ。
当時、我が国におけるこの動物の生息数は、30頭以下だと推定されていた。しかし国際アジア・チーター保護プロジェクトがスタートしてから十数年、92年〔2013/14年〕に発表された統計によれば、今や我が国には約50頭のチーターが生息している。
頼もしいことに、過去3ヵ月間で44件のチーター目撃情報が、リモートカメラや環境保護官によってもたらされた。そのため、この動物の我が国での繁殖が、いまだ続いていることに期待を抱くことができるのである。
公式のカレンダーには登録されていないものの、しかし今日〔8月31日〕は「アジア・チーター・ナショナルデー」である。この日を記念して、環境庁ではセレモニーが予定されている。
これまでとは異なり、今年のセレモニーは国連開発計画(UNDP)の主催と、アジア・チーター保護プロジェクトの共催によって行われ、各国大使や国の責任者、国会議員、そしてNGOの代表らが招待されている。その目的は、アジア・チーターはイランにしか生息していないものの、その保護は世界のすべての国の義務であるということを強調することにある。これに加えて、今回のセレモニーでは環境保護官やNGO、アジア・チーター保護プロジェクトの関係者らへの感謝の意が伝えられる予定となっている。
■ 50頭のチーター
我が国に生息するチーターの頭数に関する最新の統計は、92年〔2013/14年〕に発表された。それによると、少なくともチーターの生息数は50頭に上ると言えそうだ。国際アジア・チーター保護プロジェクト長を務めるフーマン・ジューカール氏はこのことについて、ジャーメ・ジャム紙に次のように言う。
国内に生息するチーターの頭数について、新たな推定を行う必要がある。というのも、最後に彼らの頭数が推定されたのは92年〔2013/14年〕だからだ。こうした理由から、この動物の頭数に関する新たな統計を取る必要があるのだが、しかしそのためにはリモートカメラやその他の研究用機材を増やすことが必要となる。
ところで、アジア・チーター保護プロジェクトがスタートした約13年前、国内に生息するこのネコ科の動物の生息数は30頭以下であると、専門家らは推測していた。プロジェクトがスタートして以降、リモートカメラといった機材が導入され、専門家らはチーターの生息数に希望を抱くようになった。しかしここにきて問題となっているのは、最近になってこれらのリモートカメラの多くが老朽化し、専門家らは新たな機材を必要とするようになっていることである。
ジューカール氏は次のように続ける。
ここ3ヵ月間で44件のチーター目撃情報が、リモートカメラで記録され、あるいは環境保護官によって目視された。この数は比較的適切なものと言えるが、しかし何よりも期待が持てるのは、子供を連れた母親のチーターが目撃されていることだ。
我が国に生息するチーターの主な生息地は、
中央キャヴィール砂漠の周辺である。例えば、北ホラーサーン州には
ミヤーンダシュト野生動物保護区があり、セムナーン州には
トゥーラン国立公園がある。これに加えて、
キャヴィール国立公園や〔イラン北部マーザンダラーン州の〕
アッバースアーバードや、
スィヤーフ・クーフ、
カールマンド、
ナーイバンダーン、およびタバスなどのヤズド州内の地区、そしてケルマーン州の
ラーヴァルも、チーターの生息地として指摘することができよう。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。