今日はアジア・チーター・ナショナルデー(4)

2014年08月31日付 Jam-e Jam 紙
ワールドリーグ・バレーで登場したチーターのマスコット・キャラクター
ワールドリーグ・バレーで登場したチーターのマスコット・キャラクター
チーターの人工繁殖

 当局者らが捕らえたアジア・チーターを繁殖させる決定を下してから、すでにしばらくになる。テヘランのパルディーサーン公園ではこの計画のための施設が設置され、一つがいチーターがこのセンターに移されることになっている。

 ジューカール氏はこのことについて、次のように言う。

チーターの繁殖は、チーター保護プロジェクトとは別のものだ。しかし教育的、倫理的、科学的な側面がある。現在、世界的な専門家であるショーン・マックイーン氏の監督の下で、施設の設計が行われ、現在建設中である。

 「クーシュキー」と名付けられたオスのチーターは現在、ミヤーンダシュト保護区で保護されており、メスのチーターの「デルバル」はトゥーラーン保護区で暮らしている。繁殖施設が完成し次第、この計画の専門家の監督の下、これらのチーターは飼育下での子作りを行う予定となっている。

農村社会への啓発活動

 過去数ヵ月間にわたって、アジア・チーターとその絶滅の危険性について紹介するための文化活動が盛んに行われた。例えば、首都圏で〔チーターに関する〕シリーズ〔番組が放映されたこと?〕やイラン・サッカー代表チームのシャツにチーターの図柄がプリントされたこと、バレーボールの〔ワールドリーグの〕試合やハンドボールのアジア選手権〔でチーターに扮したマスコットキャラクターが採用されたこと〕などを指摘することができる。

 こうしたことから、絶滅の危機にあるこの動物に対する都市住民の間での認知は向上したように思える。しかし重要なのは、農村社会はいまだ啓発活動が必要だということである。というのも、こうした認識を高めることが、今後のアジア・チーター保護プロジェクトの活動に大きく寄与するからだ。

 国際アジア・チーター保護プロジェクト長は、次のように指摘する。

一般への啓発活動に関して、都市住民の間ではかなりな程度の認知が生まれた。しかし保護活動はお金のかかる活動だ。というのも、人件費や燃料費は高くつくからだ。

 アジア・チーター保護プロジェクトに割り当てられている予算は、最近では環境保護官への給料や彼らが地区の見回りで使う車両の燃料費として、多くが使われる。

 ジューカール氏は、「チーターの生息地は広大であるため、これらの地域を見回るためには多くのガソリンが必要なのだ」と話す。

 その一方で、もし国の歳入に貢献している省庁、例えば鉱工業省などがアジア・チーター保護プロジェクトに協力すれば、この計画が直面する問題はもっと早く解決されるだろう。

 アジア・チーターの保護が抱える問題として、チーターの数がそもそも少なく、遺伝プールに問題があるという問題を指摘しなければならない。というのも、これらの人々〔=専門家?〕によれば、チーターが〔繁殖の際に〕パートナーを見付けるとき、〔遺伝的に近い〕グループ内部でパートナー探しが行われ、チーターの繁殖に負の影響を与えてしまうからである。

 国際アジア・チーター保護プロジェクト長はこの問題について、次のようにいう。

2012年に行われ、信頼できる〔学術〕雑誌に掲載された研究で明らかになったのは、アジア・チーターの遺伝プールは、頭数が少ないにもかかわらず、アフリカ・チーター全体よりもずっと良好な状態にある、ということだ。つまりわれわれは今のところ、遺伝上の危機には達していないということである。しかしながら、もしチーターの頭数が長期にわたって少ないままの状況が続けば、われわれもこうした問題に直面することになるだろう。

 アジア・チーターの頭数は少なく、生息地は不適切な状況に置かれ、保護のための予算も不足している。こうしたことを考えると、鉱工業の責任者やその他の潤沢な収入を得ている機関に対しては、国が直面している環境問題に対してより関心を向け、アジア・チーター保護プロジェクトのような計画の支援のために、アクションを起こしてもらうよう呼びかける必要があろう。なぜなら、今や〔開発〕プロジェクトは地域〔の環境〕への監視を増やし、環境アセスメントなき〔開発〕計画が実施されることで地域〔の環境〕が破壊されるような事態は、防がれねばならない時代にきているからだ。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。


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翻訳者:ミコ・ディオティマ
記事ID:35274