【ジャムシード・レザーイー】国連総会出席のためのロウハーニー大統領のニューヨーク訪問が決定的となったことに伴い、今回の訪問と、ニューヨークで起こり得る出来事をめぐって、メディアの憶測が加速している。
そうしたなか、2つの問題が多くのアナリストらの注目を集めている。一つはロウハーニー大統領のニューヨーク訪問が核協議にもたらす影響であり、もう一つはイランとアメリカ両国大統領の会談の可能性である。この会談がたとえ〔国連総会の〕傍らで行われる非公式のものだとしても、もし行われれば、過去30年以上の間で初のイラン・アメリカ両国大統領の会談となる。
一部の国際的なメディアにはこうした歴史的出来事を記録したいとの強い願望が見受けられるが、しかしそうした願望とは反対に、テヘランおよびワシントン両公式筋から伝えられる情報によれば、両大統領の会談の予定はないようだ。とはいえ、外交の領域では緊急事態や予期されなかった出来事が起こるものである。ちょうど昨年、イラン大統領がニューヨークを訪問した際、ロウハーニー師とオバマ氏との会談の可能性がメディアで取り沙汰されたが、最後には両大統領間の電話会談で終わったように、である。
現在、国内外のマス・メディアは、両国関係になにか新たな変化が生じるのか否か、固唾を飲んで見守っているところだ。当然、こうした変化とは両国大統領の会談の可能性と関係する。以下に記す理由から、両国大統領の公式会談はもとより、非公式なものであったとしても、二国間の会談の可能性は少々考えづらい。いかにアメリカ当局がそうした会談を望むオバマ氏の意向を明らかにし、アメリカのメディアもそれを伝えているとしても、だ。
こうした中、イラン側はこうした会談に格段の興味を示してはいない。というのも、よりハイレベルな接触が実現されるにはいくつかの前提条件が満たされる必要があり、そうした条件が満たされない限り、会談の必要性を云々することは本質的に無意味だからだ。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。