ヴァーチャル世界、犯罪者どもが跳梁跋扈する空間(3)

2015年05月20日付 Jam-e Jam 紙
 法律の専門家であるアリー・ホセイニー氏はこのことについて、次のように言っている。

旧来型の犯罪者とインターネット犯罪者の間には、多くの違いが存在する。前者は、物理的な手段や脅迫といった方法を使って、自らの犯罪行為を追求するが、サイバー犯罪者はもっと頭の良い人物であり、彼らは最小の費用で最大利用をする人々である。

こうした犯罪者が詐欺やハッキングのような犯罪行為のために自らの知力を利用するとき、彼らは優越感に浸り、自らの行為に快感を覚える。こうした犯罪者たちの手法〔がよりスマートであり〕、そして罪を犯す際に彼らの姿が見えないことが理由で、旧来型の犯罪者たちもサイバー犯罪へと足を向けるようになっており、われわれもそうした新型の犯罪の発生を目の当たりにするようになっている。

こうした〔旧来型の犯罪からサイバー犯罪に転向した〕犯罪者たちはほとんどの場合、インターネット犯罪に対する刑罰がどのようなものであるのかをよく認識しておらず、彼らには重い罰が待っているということを知らない。彼らは楽して金を手に入れることばかり考えており、最短の道のりから最大の利益へと至るにはどうしたらよいかに、傾注している。

しかし重要なのは、「知力」の問題である。プロの〔サイバー〕犯罪者たちは高い知力によって、〔警察や検察の手から〕逃げるための最適の方法を考えている。しかし反対に、知力の低い〔転向組の〕犯罪者たちは、犯罪に手を染めるときの方法しか考えず、自らの痕跡を大量に残してしまう。そのために、彼らはすぐに逮捕されてしまうのである。


インターネット上の出会いは窃盗の手段

 一部の犯罪者たちはバーチャル空間でも、「クマおばさんの友情」よろしく、ありがた迷惑のおせっかいを焼いている。

※訳注:「クマおばさんの友情」とは、昼寝をしている男性の顔の周辺にハエがたかっているので、それを追い払ってあげようと考えた友人のクマが、男性の頭に岩を落として男性を殺してしまったという、イランの昔話。「ありがた迷惑」の寓意。

 彼らは恋に心を奪われたふりをして、若い女性たちの生活に入り込み、心地よい甘美な言葉で彼女たちを騙す。彼らは偽のプロフィールを使って、自分が金持ちであるかのように装う。そして〔結婚詐欺で〕女性たちを「悪用」した上で、痕跡を残さず逃亡するのである。

 ネット上の出会いと、そこで生ずる「悪用」の増加は、親たちにとって不安要素の一つとなっており、サイバー警察でもこの問題を扱う事件簿が大量に作られている。

つづく


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翻訳者:MHK
記事ID:37694