お金を払えばインターネット上で占って差し上げます(2)

2015年05月27日付 Jam-e Jam 紙
 いろいろなサイトの中から、「豆占い」や「吸い殻占い」といった占いが、彼女の目に留まるが、それらを試したことはまだなく、真偽の程は不明だ。「コーヒー占い」のところに行く。彼女はコーヒー占いを大いに信用している。数ヶ月前も、この占いによって彼女の夫が不貞を働いていることが分かったばかりだ。占い師が言うには、別の女(ひと)と一緒にいるところの夫の姿がコーヒーカップの中に見えたとのことだった。

 もちろん、コーヒー占いはインチキだ、占い師たちは金儲けのために人々を騙しているのだということを妻に理解させようと、夫は懸命に試みた。しかしそれもムダだった。夫が罪を逃れるためにこんな話をしているのだと、彼女は知っていたからだ。その日から、彼女の中で夫はただの嘘つきの不倫夫でしかなくなった。そして彼女がコーヒー占いを完全に信じ始めたのも、その時からだった。

 しかし、今回の占いはこれまでとは異なるものだった。というのも、インターネットでも占いができると、ある友人から聞いたからだ。あるサイトを開くと、そこには次のように書かれていた。「計○○トマーンを口座番号○○に振り込んで下さい。その上で電話0912○○に連絡してください。あなたの占いの結果をお教えします」。もう占ってもらうために遠いところへ行く必要がないことを知って嬉しくなった彼女は、お金を振り込み、占いの結果を教えてもらった。

 ミーナーは、占いや魔術を信じ、自分たちの人生が占い師どもの手によって弄ばれている、私たちの周りにもいる人たちの典型的な例である。人々が抱える問題についてこれっぽっちも心配することのない占い師たちは、他人をお金の詰まった樽か何かのように思っている。彼らはより多くのお金を手に入れるために、せっせと嘘をつくのである。

 彼らの中には、〔‥‥〕客に提供する情報をうまく調整して、〔‥‥〕その人が二度三度と自分のところに足を運ぶようにする者たちもいる。そうした中で、占いの言うことはインチキでペテン以外のなにものでもないということに、すぐに気づく人たちもいる。しかし同時に、迷信によって人生を台無しにし、家族や近しい人たちを失う人たちもいるのである。

 一般論として、迷信や占いは時の経過と科学の進歩とともになくなるものではなく、むしろ伝統的な姿から脱し、近代的な様相を得ることで、人類社会のなかで自らの命脈を保つものである。かつての占い師たちは同じ活動領域で、しかし新たな手法によって、人々を騙しているのだ。

 現在、テヘランや大都市での各種占いの料金は、100万トマーン〔※約3万3千円程度〕強にまで達することもある。そして人々が一般的に占いに好意的であることが、「インターネット占い師」の数を日に日に増加させている。こうした現象の一方で、単なる娯楽の問題を越えて、インターネット上で行われている詐欺的な占い活動が、多くのユーザーらを不幸にし、彼らを破滅に導いているのである。

つづく


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翻訳者:SYK
記事ID:37767