なぜ「占い」なのか?
心理学者のマフムード・ボルジアリー博士は「インターネット占い」という新種の現象について、「タペシュ」の取材に次のように述べている。
最近になって私たちを悩ますようになり、新種の現象の一つに位置付けることのできる問題として、ヴァーチャル空間の世界をはじめ、〔近年になって〕人類の利用に供されるようになったファシリティ(便宜、利便)〔のもたらす問題〕が挙げられる。
インターネット、そして総じて仮想空間では、占いや自己診断〔のためのサイト〕が多く見受けられる。それらは、多くの人たちがインターネットを有益に利用する代わりに、自己診断や占いのサイトで自分たちの時間を浪費することに勤しむ原因となっており、彼らがインターネット占い師たちの餌食になってしまうケースすらある。
総じて、仮想空間では貧弱な論理能力しか有さないような人たち、承認欲求のある人たち、そしてせっかちな性格の人たちが、インターネット占い師たちによって金銭的につけ込まれてしまう傾向にあると言えるだろう。
同氏は、匿名である場合、人は自分たちの抱える問題を〔安易に〕言ってしまう傾向にあることについて、次のように言う。
ここには「匿名現象」という名の現象が存在する。この現象では、自分のことを知る者が誰もいないと感じると、人は安易に自分の生活上の問題を打ち明けてしまう。特に、インターネットが普及している今日においては、こうしたケースが多く見られる。インターネット上の出会いが多くなり、自分の話し相手が自分のことをあまりよく知らず、〔自分が誰なのか〕判断されないとみるや、人は安易に自分の生活についてペラペラとしゃべってしまうのである。
生活をする中で深刻な問題を抱えている人は、たとえ多くの場合、占い師に良い思い出がなかったとしても、彼らの元に行き、その後も何度も彼らを頼ってしまいがちだ。
ボルジアリー氏はこの取材で、占いが人々に及ぼす精神的打撃について触れ、次のように指摘している。
占いによって人の決断力は弱くなり、全てを占いの結果に委ねてしまうようになる。努力もせず、良い将来が自分たちのところにやってくるのを待つようになり、最後には自分の人生を失ってしまう。心理学者や相談所の元を訪れる代わりに、生活上の困難のことで占いや魔術に頼ろうとする。彼らは自分たちの中に変化を起こそう、自分の生活のために努力しようとする代わりに、占い師の言うことばかり追い求めようとするのだ。