息子を失った母親が本紙に激白「心が震え、刑執行目前で殺人犯を赦しました」(1)

2015年06月02日付 Jam-e Jam 紙

【事件部:マアスーメ・マレキー】時は一瞬のうちに過ぎ去った。中年の女性は意を決して叫んだ。「彼の処刑をやめてください。自分の権利は放棄します。神の御心に従い、この死刑囚を赦します。これ以上、私のように子供を失って悲しみに打ちひしがれた母親を見ることなんてできません」。

 ジャーメ・ジャム紙によると、この女性は8年間、年若い息子を殺害した犯人に対するキサース刑(同害報復刑)の執行を心待ちにしてきた。しかし最後の瞬間、この殺害犯にもう一度人生を与える決断を下したのであった。

 1386年オルディーベヘシュト月10日〔※西暦2007年4月30日〕の夕方、〔ハメダーン州〕ナハーヴァンド県のとある警察署の守衛の電話が鳴った。ある男性が路上で発生した喧嘩を通報してきたのだ。数分後、警察官が事件現場に向かった。そこで見たのは、ある若い男性がナイフで刺されて大けがをしている姿だった。刺した犯人は、すでに逃亡していた。そうした中、若い男性は出血多量により、病院で死亡した。

 捜査の開始と同時に、殺人の容疑者が特定され、逮捕された。彼はレザーという名の若者だった。容疑者は友人アリーの殺害を自供、動機として意味不明な理由を述べた。彼は刑務所へと送られ、それからしばらくして後、ハメダーン州の刑事裁判所で裁判を受けた。そして遺族の要求を考慮して、彼にはキサース刑の判決が下された。判決は国の最高裁判所の判事らによって支持され、本件は司法局判決執行部に送られた。こうして、キサース刑執行に向けたカウントダウンが始まった。

つづく


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翻訳者:8411027
記事ID:37850