中年夫婦を殺害した死刑囚、死刑執行目前で赦される

2015年06月15日付 Jam-e Jam 紙
 母方の叔母夫婦を殺害した罪で、昨日絞首台に上った若い男が、殺人被害者の子供たちの赦しによって、死から救われた。

 ジャーメ・ジャムの報道によると、死刑囚の男は91年デイ月6日〔※2012年12月26〕の夕刻、アラークにある「ショハダーイェ・サファリー」通り沿いにある叔母の自宅に侵入し、殺人を犯したあと、金品を強奪してその場から逃走した。

 事件が露見すると、捜査班は中年夫婦殺害事件の真相解明に向けた捜査を開始、初動捜査で殺害犯がいかなる抵抗もなく家に侵入し、中年夫婦の頭部を殴りつけて、彼らを殺害したことが分かった。中年女性の貴金属類が盗難されていたことから、盗み目的での殺害だったとの仮説が立てられた。

 捜査官らは捜査の過程で、中年女性の負いに不審を抱き、翌朝、19歳の男を逮捕した。メフラーンは取り調べで叔母夫婦の殺害を否定したが、供述に矛盾があったことと、麻薬中毒にかかっていたことから、司法命令によって男は逮捕された。

 容疑者は殺害を否定したが、その一方で彼の友人が署を訪れ、事件の真相を告白した。彼は捜査官らに対し、次のように述べた。

メフラーンは事故のために、3千万トマーン〔約100万円〕の賠償金の支払い命令を受けていた。彼は数日前、叔母を殺害して彼女の貴金属類を盗み、それを売って借金を返済するつもりであると述べていた。昨日、彼が金品を私の所にもってきて、貴金属類をさばいてほしい頼んできた。そこで私はそのようにした。今日になって殺人事件のことを知り、警察に行って事情を話そうと決心した。

 このことが明らかになると、メフラーンは自供し、次のように述べた。

私は喧嘩が原因で、〔負傷させた相手に対する〕賠償金の支払い命令を受けた。犯行前、私は覚醒剤を使い、それから叔母の家に行った。叔母は入浴中で、叔母の夫が私を出迎えてくれた。私は貴金属類を盗むつもりだったので、前もって棒を腰のところに隠し持っていた。水を飲むと言って台所に行った。〔台所から〕出たときに、棒を取り出して、それを使って叔母の夫の頭部を殴りつけた。彼が倒れると、何度か彼の後頭部を殴りつけた。叔母が風呂場から出てきた瞬間に、私は彼女にも棒で襲いかかった。叔母が「なんで叩くの」と訊いてきたが、私は何度か彼女の頭部を殴りつけた。台所にあった臼を手にとって、その柄の部分で可能な限り彼女の頭部を殴りつけた。

〔‥‥〕

 容疑者が殺害を自供し、犯行現場が再現されたことを受け、本件は起訴状の発行とともにマルキャズィー州刑事裁判所に送られた。裁判所の判事らは裁判後、被告にキサース刑ならびに禁固刑を言い渡した。判決が国の最高裁判所で支持されたことを受け、罪を犯した男は昨朝、公衆の面前で絞首台に上った。

 アラーク治安維持軍司令官はこの件について、「殺人の被害者の子供たちが、両親を殺害した犯人を赦した」と語った。


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翻訳者:YS
記事ID:37961