【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ4面】若いカップルが、夫婦生活に永遠に終止符を打つため、家庭裁判所に赴いた。2人は若い男性の側の強いこだわりによってここを訪れ、離婚を求めたのである。
裁判官が離婚を申請した理由を尋ねたとき、男性はテヘラン家庭裁判所268法廷の裁判官に、次のように訴えた。
判事殿、結婚して18ヵ月が経ちますが、私はその間、ろくな料理を食べていません。私と妻の間には、食べ物の好みで分かり合えないものがあります。彼女は私の嫌いなものが好きで、反対に私も彼女が不味いと思うものが好きなのです。つまりこの間、私は毎晩毎日、妻の好きなものを食べねばなりません。彼女はいつも自分好みの食事を作り、私の好きなものを作ろうと努力したためしがありません。〔‥‥〕この間に、私は自己中心的な妻を娶ってしまったということに気づきました。このようなわけで、私は離婚を決意したのです。
その瞬間、若い女性が裁判官に次のように言った。
判事殿、一刻も早く離婚の判決を下した方がいいと思います。この男はとても自分勝手で、たかが普通の食事のことくらいで私と別れようとしているのです。彼は口実を作っているだけで、〔本当は〕私との生活に飽きただけなんだと思います。彼の好きな料理をどう使ったらよいのか、私には分かりません。〔‥‥〕今になって夫は、このことを理由に私と別れようとしているのです。
若い男性の方も、再度口を開き、次のように述べた。
私が問題にしているのは、料理のことだけではありません。妻が私の要求に何ら注意を払わず、自分の要求のみを押しつけようとしていることが問題なのです。私は、こういった振る舞いとともに生活していくのはいやです。私が別れることを決心しているのは、そういう理由からです。もしこれ〔=夫の好きな料理の作り方〕が彼女にとって困難だというのなら、この間料理教室に行くなり、私の好きな料理を作る際に、私の母に協力を求めるなりすることもできたはずです。彼女は自己中心的なのです。
この夫婦の話が終わり、彼らに離婚を思いとどまらせようとする裁判官の努力も不調に終わったことを受けて、離婚の判決が下された。