イランは国際的な制裁の解除に伴い、自国の石油・ガス産業に1000億ドルの投資をしたいと考えており、〔そのための〕外国資本を呼び込むため、石油開発契約の新たなモデルの詳細を最終決定する方針だ。
英紙フィナンシャル・タイムズの報道によると、「イラン石油契約見直し委員会」の委員長でイラン石油省顧問のセイイェド・メフディー・ホセイニー氏は、ハサン・ロウハーニー政権が今後数ヵ月以内に、〔外国企業と結ぶ〕自国の石油契約の新たなモデルを承認し、その詳細が今年末までに確定されるとの見通しを示している。
現在用いられているバイバックという契約方式〔※外国企業が資源開発のための投資にかかった費用と利益を、自ら開発した生産物から受けとるという契約モデル〕は、〔‥‥〕投資家や石油企業の希望にそぐわず、彼らにとって魅力のないものであることが、これまでに明らかとなっていた。
イランは世界第4位の原油埋蔵量と、世界最大の天然ガス埋蔵量を有しており、自国の原油生産量を2010年代末までに日量500万バレルに引き上げることを目論んでいる。このため、イランは約2年間をかけて、石油契約の新たなモデルの開発に取り組んでいる。
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イラン政府と5+1諸国との間で核問題をめぐる合意が達成された場合、イラン・イスラーム革命の勝利以降、イランの石油産業から遠ざかっていたアメリカの石油企業も、同国の石油開発計画に復帰することが可能となるだろう。
「石油契約見直し委員会」のホセイニー委員長はフィナンシャル・タイムズに対し、「この石油・ガス契約の価値は、1000億ドルにも及ぶかもしれない〔‥‥〕」と述べ、さらに次のように付け加えた。
我々はアメリカ〔企業の参入〕を待ち続けたりはしないが、しかしもし彼らがイランの石油開発計画に参入できるなら、より望ましいものとなるだろうし、我々は彼らが参入できるようになるのを望んでいる。イランへの進出をめぐってアメリカとヨーロッパの間で競争が生まれれば、それは我々の利益になるからだ。
西洋の石油企業の責任者による〔イラン〕訪問に関する噂が飛び交うなか、イギリス=オランダのロイヤル・ダッチ・シェルやイタリアのEniの重役がイランの石油当局者と協議するため、しばらく前にテヘランを訪れている。
フランスのトタル、シェル、Eni、ノルウェーのスタトイルといった世界の巨大石油企業は、かつてイランの石油開発計画に参入し投資を行っていたが、バイバック契約の条件〔の悪さ〕や、突然の経費に対するイラン側の支払い能力の欠如が原因で、同国の油田のさらなる開発からは身を引いていた。
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