婚資金を高くしたからといって結婚生活が長続きするわけではない
2015年06月24日付 Jam-e Jam 紙
【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ1面:マルヤム・ユーセフィー博士(社会学者・大学教師)】結婚をめぐる問題の一つとして、婚資金に関するものがある。重い婚資金は多くの場合、男性たちにとってトラブルの元となる。もちろん、家族保護法の施行によって、男性にとって状況は改善したことも事実だが。
われわれの社会では、未婚の男女は結婚前、互いのことをよく知らず、互いの相違が衝突に発展してしまうのかどうかについて、認識していないことが多い。多くのケースで、女性たちは相手側のことをよく知らないことの代償として、高額の婚資金に頼りがちだ。
女性およびその家族は結婚当初、倫理的、文化的、およびその他の観点から、男性およびその家族とどれほど一致しているのかをよく知らない。彼らにとって、高額の婚資金は結婚生活を長持ちさせるための一種の保険・保証のようなものなのである。
他方、離婚の権利を男性に与えている法律の条項は、結婚生活の存続は男性の手に委ねられているとの不安を、期せずして生じさせてしまっている。女性たちが高額の婚資金を設定するのは、このようなときなのである。それは結婚の初めから離婚のことを考えているからではなく、生活を安定させ、男性への不信感を補うための一種の動きなのである。
高額の婚資金を受けとることは、伝統的な結婚においてだけでなく、その他の結婚においても、ある程度、正当化可能である。例えば、恋愛結婚でも、どれだけ男女が〔結婚前に〕交際していたとしても、彼ら/彼女らは自分を別様の人間として装うものだ。そのため、彼ら/彼女らは一つ屋根の下に暮らすようになって初めて、互いの興味や願望のことを知るのである。このような場合でも、女性は高額の婚資金を受けとることで、〔結婚〕生活の継続を男性に強いることがある。
もちろん、こうした高額の婚資金を、自らの目的達成のための脅迫手段として利用する人たちもいる。
見栄の張り合いも、婚資金が高額化する原因の一つである。結婚をする女性自身は少額の婚資金を受け取り、簡素な式を挙げるだけで満足しているにもかかわらず、彼女の両親が、世間体を恐れ、あるいは親族や友人たちへの見栄のために、高額の婚資金を設定することに強くこだわる、といったケースを多く見かける。男性とその家族も、なるべく早く結婚を済ませてしまいたいとの思いから、そしていわゆる「婚資金は誰が与えて誰が受けとる」〔※婚資金は儀礼上のもの、という意味〕という死語を頼りとして、〔新婦側が求める〕条件を受け入れてしまうのである。
しかし一般的には、女性側が高額の婚資金を設定するのは相手側への不信感や離婚への不安が理由であり、それは必ずしも〔結婚〕生活の持続と夫婦間の愛の形成をもたらすものではない、と言えるだろう。
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翻訳者:ST
記事ID:38294