Taha Akyol コラム:連立政権樹立ならず、これからのシナリオ
2015年08月14日付 Cumhuriyet 紙
連立が行われないのは明らかであった。ダヴトオール首相が発言を行うとドルの高騰と株式市場の下落が起きたのは、今後どのような困難が起こるかの前触れである。
中東とりわけシリアでの情勢が、トルコを深刻な問題に晒し、テロが増加し、経済が停滞した時期に、トルコには「大連立」の必要があった。しかし、実現しなかった。
ダヴトオール首相も、(CHPの)クルチダルオール党首も、連立に向けた取り組みでは誠実に振舞った。しかし、AKPサイドでたった18議席の違いで政権を失ったという感情と、早期選挙で勢力を取り戻すという期待はとても強い。大統領が繰り返し早期選挙を強調し、CHPとの連立はAKPにとって「自殺行為」になるだろうと暗にほのめかしていることは、最終決定に勿論影響を与えた。
会談は本当に、とても文明的で、中身のあるものだったし、国で「大きな和解」の希望も目覚めた。しかし、結果は期待外れのものだった。
■立て直しと改革
ダヴトオトール首相によると、「教育と外交で根深い見解の相違」があったことがわかったようだ。これについてAKP側は昨日の会談で短期的な、そして選挙を目的とした政府を提案した。CHPはこれを認めなかった。
クルチダルオール党首は、「我々は、合意できない事柄について取り上げることはなかった。見解が説明され、話し合いすら行われなかった」と語った。更に、AKPは連立さえも提案しなかったという。単に選挙だけを目的とし、短期的な連立を提示した。CHPは、「ハイレベルなメンバーによる4年間の政権」を求めたため、それを承認しなかった。ダヴトオトール首相は、彼ら自身は「立て直し」を、CHP側は「改革」を強調したと述べた。
二つとも必要ではないか?歪められた議院内閣制はすべての政治的、法的組織によって「立て直」される必要はないのだろうか?法治国家の概念を根付かせるために、経済の行き詰まりを克服するために、「改革」は必要ではないのか?
しかし、連立は行われないという説明が行われたことによって、この議論は置き去りにされた。
■選挙は簡単か?
今日の状況における「選挙の安全性」といった問題があると共に、似た状況で選挙が行われた時代があった。我々が内包する問題は明らかで、「政府がない」状態をこれ以上引き延ばさないことだ。早急に選挙に移行する方法の一つに、憲法によると大統領が国会の政党から希望者が参加する「選挙政府」をつくることだ。しかしHDPがテロに関連して、これに躊躇している。
この方法の他には、国会が早期選挙の決定を下すためにMHPが支持をするだろうか?これが可能かどうかはダヴトオール首相がMHPのバフチェリ党首を訪問する際にわかるだろう。早期選挙についてCHPはどのような態度をとるだろうか?クルチダルオール党首はこの問題に「政治において24時間は長い時間である。」と答えた。おそらく議席獲得に必要な最低得票率を下げるなどいくつかの条件で、CHPは11月の早期選挙を支持しうる。
いずれにしても可能であれば、早く行われるべきだ。
■「中道」の重要性
ダヴトオール首相の「中道の2つの政党が連立で疲弊したら、過激派が勢力を増す。国は統治できない状態になる」という懸念は正しい。この理由により、連立はなされるべきであったし、懸命に取り組み成功させなければならなかった。しかし、それは終わった。「中道」つまり、中道右派と中道左派は民主主義のために、国が「統治可能」であるために、このように重要なのだ。少なくとも、この後AKPとCHPの関係は、先進国の中道左派と中道右派の関係のようになるべきだ。
この意味で、AKPがヨーロッパにおけるように保守的で、CHPもヨーロッパでの社会民主主義の政党という特徴を完全に持つことが、民主主義と国の統治のために不可欠である。
問題がこれほど深刻であるため、早期選挙の後もトルコのAKPとCHPの関係は良好である必要があるだろう。
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翻訳者:矢加部真怜
記事ID:38425