ナツメヤシの実(デーツ)の収穫の時期がそろそろ近づいているが、それ以上にイラン南部のナツメヤシ農家らの目前に迫っているのは、収穫物を売るための適度な市場がないのではないかとの不安である。というのも、一部の統計が示すように、国内におけるデーツの生産量は国内消費量を上回っているにもかかわらず、ナツメヤシ農家の収穫物を海外市場に展開するための試みは、これまでこれといった形では行われていないからだ。
メフル通信によれば、「デーツ完熟期」(暑い季節のこと。農家によれば、この暑さによってデーツが熟れ、未熟なナツメヤシの実(ハーラク)が熟した実(ホルマー)になる)が近づいており、農家の人びとはデーツ生産の最終段階に入ろうとしている。バイヤーたちも徐々に、デーツを購入するためにナツメヤシ農家のもとを訪れるようになっている。にもかかわらず、1年たっても収穫物を売ることができず、1年物が売れ残っているようなナツメヤシ農家も一部にはいるのである。
ブーシェフル州のある農家は自らの手で生産したデーツの販売に、不安が隠せない。「残念なことに、デーツを売るための適度な市場がないんですよ。こうした状況で一番被害を受けるのは、ナツメヤシ農家なんです」。
ゴラーム・ハヤートさんは、次のように続ける。
デーツはシャフリーヴァル月の下旬からメフル月の上旬〔※9月中旬から下旬〕にかけて収穫が行われます。デーツの生産量が多いため、ブローカーたちの跋扈を許してしまっています。彼らは買い取り価格を低く抑え、利益のほとんどを自分たちのものにしてしまっているのです。
つづく