たとえこの悲劇が予め仕組まれたシナリオ〔※〕ではなかったことを認めるとしても、サウジ政府がイラン政府当局者への協力や支援、サービスの提供を現場の内外で怠り、意図的に妨害してきたことを隠すことはできない。
※訳注:イランのメディアやSNS等では、イラン人の死者が最も多かったことを理由に、この事件がサウジ政府や反シーア主義者たちによって仕組まれたものではないかとの噂が流れている。
ビザの発給を渋り、この問題で時間つぶしに終始しているのも、諸々の不手際や杜撰な管理を隠蔽したり、取り繕ったりするためなのだ。
もしそうでないならば、この種の問題や、さらにはこれよりもっと小規模な事件においてさえ、現地で領事サービスを提供したりビザを発給したりすることで、各国は事故原因の調査のスピードアップに努力するはずである。サウジアラビア政府は本来、こうしたことをジェッダの空港ないし各国〔にある大使館・領事館〕で実行に移せたはずだ。
従って、サウジ政府は「時間つぶし」戦術を行い、責任転嫁をし、その他のイスラーム諸国との広範な「話し合い」に勤しみ、大規模なプロパガンダ活動を展開することで、自身の無責任をひた隠しにし、責任の回避に奔走しているとの明確な結論に達することができるのである。
一部のアラブ・ムスリム諸国はサウジ政府に同情の念を示しているが、それはサウジ政府のロビー活動によるものであることに疑いの余地はない。
つづく