イラン・イスラーム共和国政府がおろそかにすることなく、是非とも実行に移さねばならないのは（もちろん、この件ではこれまでにさまざまなレベルで実行されてきたことではあるが）、対応を強化し、各イスラーム諸国、特にこの事故で犠牲者を出した国々と広範囲にコミュニケートすることで、この惨劇がいかに前代未聞のことであるか、その諸側面をあらわにし、つまびらかにすることである。なぜなら、一組織としてのイスラーム協力機構に適切な対応を期待することなどできなからだ。

　法的観点から言えば、受け入れ国はビザの発給によって客人や旅行者の安全・保護に責任を負うことになるし、その点ではサウジアラビアも各国からの巡礼者の受け入れにおいて例外扱いされるものではなく、同国も自らの法的ならびに領事上の責任を引き受けなければならない。

　しかし、複雑な状況や国際的な裁判所を支配する「空気」を考えるならば、〔イラン側の主張が〕最終的な勝利を収める可能性はあまり高いとは言えない。

　よって、イラン・イスラーム共和国はこの問題の法的、政治的、技術的、ならびに領事上の諸側面を調査し、それを国際世論に説明することで、一つの大いなる疑問を提起し、サウジ政府によるハッジの管理がどのようなものであり、それがいかに杜撰であるかを他の人々に訴えるべきなのだ。

　終わりに、この悲惨な事件の遺族に対し弔意を表するとともに、負傷者の全快を願いつつ、以下のことを指摘したい。現在の状況において何よりも事態の打開につながるのは、イラン・イスラーム共和国が責任あるスマートな対応を取りつつ、法律や政治、領事、ならびに広報文化外交などの分野ですべての能力を活用して、サウジ政府関係者がこれ以上責任逃れをすることができないようにすることである。